第3話 創生魔法

「おいおい坊や、こんな所で寝ていたら危ないよ」


 肩を誰かに揺さぶられ目が覚めた。

 腰ぐらいまである丈が長めの上着とズボンを履いた、中年のおじさんが目の前に立っていた。

 どうやら道端に座り込んでいたらしい。

 馬車で通りかかる際、心配になって声をかけてくれたのだろう。


「ありがとう、おじさん。街に行くのはこの道でいいのかな」


「あぁ、この道を真っ直ぐ行って二時間くらいだ。気を付けていくんだよ」


 そう言うとおじさんは馬車に乗り、去っていた。

 歩く平均速度が時速約4㎞だとすると街まで後8キロくらいかな。


 俺の服もおじさんと同じようなもので、違いはフード付きのジャケットを着て、首からバックを下げているくらいだ。


「坊や、て17歳設定だよな?」


 鏡がないので自分の容姿を見ることができない。まあ後で確認すればいいか。


 まずはすることがある。


「ステータスオープン!」

 名前:エリアス・ドラード・セルベルト

 種族:人族

 年齢:17歳(58歳)

 性別:男

 職業:フリーター

 レベル:1

 HP 300

 MP 500

 筋力  50

 攻撃力 50

 丈夫さ 50

 知力  100

 器用さ 50

 素早さ 50

 運   100

 EXP  0/20


 状態:良好


 所持金:金貨30枚(300,000円)


【スキル】

 生活魔法(火・水・氷・風・光)LV1

 世界の予備知識


【ユニークスキル】

 異世界言語

 鑑定:LV1

 時空間魔法ストレージ(カスタマイズ可能)

 創生魔法(『無』から『有』は創れない)


【メンタルスキル】

 沈着冷静

 高速思考

 魅力(人の心を引きつけ夢中にさせる力。発動しないこともある)


【加護】

 女神ゼクシーの加護

 愛し子


 う~ん。ステータスはレベル1のわりには高いが特に秀でた所がない。

 バックはからでストレージの中は金貨だけ。

 所持金に円表示が出るのは分かりやすくて助かるな。


 ただ時間が分からないのは困るな。

 まずは創生魔法で腕時計でも創ってみるか。


【スキル・予備知識】発動。

 すると時計に関しての知識が頭に入ってくる。

 材質はステンレスだな。ステンレス鋼の原料には鉄。合金元素としてクロム・ニッケル・モリブデン・マンガン、チタンかな。

 道の片側に手を伸ばし『創生魔法:金属収集』

 よし集まってきたぞ、『創生魔法:金属合成』

 それっ『創生魔法:腕時計作成』


 く、く、く、く、できた、腕時計ができた。

 文字盤はブラック、数字や枠、メタルベルトはシルバー。

 秒針タイプでソーラー付きだ!


 そして気づいた。

 できたは良いが、困ったことに今が何時なのかが分からない。

 時報なんてないし。

 その為、時間が合わせられない……、べ、別に困らないし。

 街に着いたら確認しよ~と。


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