第47話 加護

 俺達4人はヴィラーの村を目指して西に向かっている。

 王都方面に向かえば村がある。


 俺達はやや早歩きの小走りで、もう1時間以上走っている。


 きっかけはパメラさんのこの一言だった。

「なんか最近、体の調子が良いの。力が湧くような不思議な感じ」

「なんだパメラ、おまえもか。私もそうなんだ」

 最年長のルイディナさんが言う。

「実は私もなの。だから少し走ってみない?」

 オルガさんもつられて言い出す。


 それから1時間以上走っている。

 

「おかしいわね?全然疲れないわ」

「そうだよな、もう結構走ってるよな」


 うん、おかしい。

 どうしたんだ?


 俺は3人を鑑定した。

【スキル・鑑定】発動

 名前:オルガ・ドラード・セルベルト

 種族:人族

 年齢:19歳

 性別:女

 職業:剣士

 レベル:18

 HP 105(+5)

 MP 30(+5)

 筋力  31(+5)

 攻撃力 32(+5)

 防御力 28(+5)

 知力  39(+5)

 器用さ 22(+5)

 素早さ 20(+5)

 運   15(+5)


【スキル】

 剣技:LV2

 :風


【加護】

 使:ステータス補助:LV1


  *    *    *    *    *

【スキル・鑑定】発動

 名前:ルイディナ・ドラード・セルベルト

 種族:人族

 年齢:21歳

 性別:女

 職業:狩人

 レベル:18

 HP 100(+5)

 MP 40(+5)

 筋力  27(+5)

 攻撃力 27(+5)

 防御力 24(+5)

 知力  38(+5)

 器用さ 22(+5)

 素早さ 23(+5)

 運   18(+5)


【スキル】

 弓:LV1

 弓技:疾風


【加護】

 使:ステータス補助:LV1


  *    *    *    *    *

【スキル・鑑定】発動

 名前:パメラ・ドラード・セルベルト

 種族:人族

 年齢:17歳

 性別:女

 職業:魔術師

 レベル:17

 HP 92(+5)

 MP 70(+5)

 筋力  20(+5)

 攻撃力 18(+5)

 防御力 18(+5)

 知力  50(+5)

 器用さ 28(+5)

 素早さ 25(+5)

 運   22(+5)


【スキル】

 風魔法:LV1


【加護】

 使:ステータス補助:LV1



 う~ん。

 出会った頃よりレベルがみんな1だけ上がったな。

 戦闘なんてあまりしてないからな。

 しかしエリアスの使徒てなんだ?

 18人いるのか?(エバか)

 俺の発展スキル、レベル補助は一時的だ。

 だがエリアスの使徒のステータス補助は常に発動しているようだ。

 こちらの方が使いやすいな。


 しかしどうして【加護】が付いたんだ?

 しかも:風てなんだ?


 思い当たることと言えば、3人と朝を迎えたことだ。

 そして俺のステータスを見ると、生活魔法/風がLV2からLV1へ下がっていた。

 肉体的な関係を結ぶ事で、能力を譲渡できる事が可能なら凄いけど。

 3人でLV1ダウンなら2人までなら下らないとか。

 良く分からないな。


 そんな事を【メンタルスキル】で考えながら走り続ける。


 しばらく走ると小さな村が見えてきた。

 入り口には『ようこそ クリームシチュー発祥の地 テオドーラへ』と看板がでている。


 これは俺と同じ転移者が居るのか?

 そう思いこの村に寄る事を3人に話した。

「クリームシチューてなんだろう?」

 パメラさんが言う。

「たぶんシチューという、スープみたいな食べ物だと思う」

 俺はそう言った。

「そう言えばお腹空いたね」

「ずっと走ってきたからな」

 オルガさんとルイディナさんも賛成みたいだ。


 俺達は村の中に入った。

 たくさんの商人や旅の人が居て、屋台でクリームシチューを買って食べていた。


 俺はその屋台の1台近づいた。 

「クリームシチューを3つください」

「あいよ!」

 おじさんは入物によそり、俺達に差し出す。

 うん。どう見てもクリームシチューだ。


「このクリームシチューとうのは、誰が考えたんですか?」

「あぁ、このクリームシチューは数年前に、貴族の方がこの村に泊まった時に、その中の1人がムッカ(牛もどき)のお乳を使い作ってくれたのさ」

「なんという名前の方ですか?」

「さあ、さすがに名前は聞いてないみたいだよ。このテオドーラの村は特に特産品も無くて貧しいところだったんだ」


 聞くと村を訪れた旅人や商人がそれを食べ、『ここでしか食べれない料理だ』と評判になり、村にはたくさんの人が訪れるようになったんだそうだ。

 へ~、食べ物1つで村の復興になるのか。

 領地に行ったら俺も何か考えようかな。


 俺達は村を出て今夜の宿である、エターブの町を目指した。


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 読んで頂いてありがとうございます。

 あっという間の1年でした。


 また来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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