第7話 森

 翌朝、冒険者ギルドに行くと、依頼を受けてくれる冒険者が見つかったとのこと。

 紹介されたのはCランクパーティー『赤い翼』だ。

「俺は赤い翼のリーダー、アドレーだ。よろしく」

「俺はエリアスです。こちらこそ、よろしくお願いします」


 アドレーさんは25歳くらい、大きな両手剣を下げ180cmくらいの人だった。

『赤い翼』は4人でメンバーを紹介された。

 片手剣と大きな盾を持ったジェイさん。

 動きやすそうな服装で弓を持ったエリノルさん。

 斥候なのか軽い装備でショートソードを持ったランダルさんだ。


 男性3人、女性1人のパーティだ。

 念のため、鑑定をしておいた。


【スキル・鑑定】簡略化発動

 名前:アドレー

 種族:人族

 年齢:25歳

 性別:男

 職業:剣士

 レベル:20


【スキル・鑑定】簡略化発動

 名前:ジェイ

 種族:人族

 年齢:23歳

 性別:男

 職業:重騎士

 レベル:21


【スキル・鑑定】簡略化発動

 名前:エリノル

 種族:人族

 年齢:22歳

 性別:女

 職業:狩人

 レベル:18


【スキル・鑑定】簡略化発動

 名前:ランダル

 種族:人族

 年齢:26歳

 性別:男

 職業:シーフ

 レベル:19


 う~ん。比較が分からないから、高いのか低いのかがわからないな。


 そしてしばらく話し、特に異存もなく依頼となりそのまま街を出ることにした。

 冒険者ギルドが選んだメンバーだ、間違いはないだろう。

 

 俺はEランクのゴブリン討伐の依頼を受けた。

 『赤い翼』の人たちに森での行動の仕方や、ゴブリン討伐の援護をしてもらう。

 討伐部位はゴブリンの右耳だそうだ。

 そして胸の中にある魔石を売れば、少しはお金になる。


『赤い翼』のメンバーたちとアスケル山脈の森を目指す。

 聞いたところによると依頼でもない限りは、街から1~2時間くらいのところまでしか離れないとのこと。

 あまり離れると暗くなる前に街に戻れないからだ。

 時間の目安は太陽の上った位置を基準にしているそうだ。


 アレンの街の東側にアスケル山脈と言う山がある。

 その手前のアスケルの森が狩場だ。

 街道から1時間くらい歩き、森の中に入り薬草について教わった。


 森の中は果物があり今は6月。

 時期によって採れる果実が違うはずだ。 

『赤い翼』のメンバーにも探すのを手伝ってもらった。

 アドレーさんとジェイ さんが警戒を、軽装のエリノルさんとランダルさんが果物を探してくれた。


 それからグミの実やブルーベリー。 

 小さいがビワもどきやイチジク、硬いトウモロコシが見つかった。

 山菜やキノコも見つかり、それをストレージで収容していった。


 ストレージで収容しているのを見て『赤い翼』のメンバーがとても驚いていた。

 使い方が間違っていると言われた 。


 山に果物や穀物を取りに来ても、手に持てる範囲しか持てない。

 でもマジック・バッグ(ストレージ)があれば、売るほど採れるからだ。


 そしてしばらく森の中を歩いていると、小さい小人のような魔物3匹に出会った。

 潰れた顔に大きく裂けた口、小さな牙が上向きに生えており肌の色は緑色。


「あんちゃん、ゴブリンだ」

 アドレーさんが言う。

「まずが俺が見本を見せるぜ」

 ジェイさんがそう言うと、ゴブリンに向かっていった。


 ゴブリンの錆びた剣を右から左に受け流し、返す刀で切る。

 一瞬だった。

 そして残りのゴブリンはエリノルさんが弓で牽制してくれた。


「今だ、エリアス君」

 俺はアドレーさんの真似をしゴブリン剣を右から左に受け流し、返す刀で切る。

「グギッ!」

 浅かったのかゴブリンが剣を振りかぶる。


 俺は飛びのき剣を構え一歩踏み込み切り下げる。

 これで一匹。残り一匹だ。

 ゴブリンがめちゃくちゃに剣を振る。

 俺はに剣を上から叩き、横に振った。

「グァ!」

 ゴブリンの首から緑色の血が流れ倒れた。


「お~、凄いなあんちゃん」

「ほんと、初めてにしては落ち着ているわ」

「すげ~よ」

「安心して見ていられたよ」

 みんな口々に褒めてくれた。


 ゴブリンを倒した瞬間、なにか体に熱いものがこみ上げた。

 レベルUPしたのか?


「ステータスオープン!」

 名前:エリアス・ドラード・セルベルト

 種族:人族

 年齢:17歳(58歳)

 性別:男

 職業:フリーター

 レベル:2

 HP 50→55

 MP 100→105

 筋力  20→22

 攻撃力 20→22

 防御力 40→42

 知力  50→52

 器用さ 20→22

 素早さ 40→42

 運   50→52

 EXP  0/30


 状態:良好


【スキル】

 生活魔法(火・水・氷・風・光)

 世界の予備知識


【ユニークスキル】

 異世界言語

 鑑定

 時空間魔法ストレージ(カスタマイズ可能)


【メンタルスキル】

 沈着冷静:LV1

 高速思考:LV1

 魅力(人の心を引きつけ夢中にさせる力。発動しないこともある)


【加護】

 女神ゼクシーの加護

 愛し子


 LVが2に上がりステータスも少し上がっている。

 沈着冷静、高速思考にもレベルがあるのか。

 戦っている間、妙に落ち着いて先読みができたのは、このスキルのおかげか。


 だがこの後、俺達では太刀打ちできない、強敵に出会うとは思わなかった。


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