第6話 異形の攻撃手段
「鬼の牙」の1人を殺した。
「ガマ袋」を手に入れたから、ラッキースライムの残骸を連れて帰ろうと思い、森を一旦出て私達が落下した地点に戻った。
ピンク色のラッキースライムは何とかゲル状で残っていた。
「あんたのお陰で『神ノ技能 魔方陣転写』をもらえた。せめていい場所にお墓を作ってあげるね」
ガマ袋に収納した。
◆
森に200メートル入ると、猪の魔物と出くわした。
木々の間にできた100メートルの獣道。
まっすぐ突っ込んできたから、トノサマホップで跳んで回避した。
「手と口でスライム酸大放出」
すれ違いざまに、かけた酸が猪の目に入り、地面にのたうち回った。
スライム酸追加で倒してやった。
魔石を食べて「猪突猛進」を覚えたが、紙装甲の私には自爆技としか思えない。
猪の生肉を「スライム消化」を使って食べたら、意外に美味しかった。
「うめえな。スライム消化も使えるな」
けど、先に肉を「ガマ袋」に入れれば良かったと思ったときには、敵が迫っていた。
30センチのメガスズメバチが横取りにきやがった。
「針がでかい。3匹相手に真っ向勝負はヤバイ」
猪肉を譲るふりして離れると、私のことは無視して、3匹とも肉を食いちぎり始めた。
口と手を突きだし、スライム酸で一網打尽にしてやった。
「おおっ、早くも第2の攻撃手段だ」
メガスズメバチの魔石から得たのは「ポイズンニードル」。両手に発動させると、中指の拳骨が伸びる感じて針が突き出した。ナイフ代わりにもなるし、念じると飛び出す。
飛ばすと木の幹が30センチくらいえぐれた。
「これはアサシンみたいでいいな」
次の拠点はサボサでなく、さらに西海岸を北上してラヒドに置くつもり。
ギルドガードも作り直すから、職業アサシンもいいかな。
「けど、もう1ヵ所、発動できるのはアソコなんだよね・・」
ハチの針はケツにある。嫌だが唱えるしかない。
「ポ、ポ、ポイズンニードル」
お尻が蜂のようにでかく長く伸び、先端に魔方陣が浮かぶと、根元直径6センチ、長さ20センチで三角錐のニードルが出てきた。
長いお尻は自由自在に動かせて、股下を通って、針を前にも向けられる。
ニードルを飛ばしてみると威力は手と変わらないけど、手の自由が利くのが大きい。
針付きのお尻を振ると、後ろの木がえぐれた。私の剣技をはるかに上回っている。
人前では見せられないスキルもできたが、復讐の手段は着実に手に入れている。
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