第6話 異形の攻撃手段

「鬼の牙」の1人を殺した。



「ガマ袋」を手に入れたから、ラッキースライムの残骸を連れて帰ろうと思い、森を一旦出て私達が落下した地点に戻った。


ピンク色のラッキースライムは何とかゲル状で残っていた。


「あんたのお陰で『神ノ技能 魔方陣転写』をもらえた。せめていい場所にお墓を作ってあげるね」


ガマ袋に収納した。


森に200メートル入ると、猪の魔物と出くわした。


木々の間にできた100メートルの獣道。


まっすぐ突っ込んできたから、トノサマホップで跳んで回避した。


「手と口でスライム酸大放出」


すれ違いざまに、かけた酸が猪の目に入り、地面にのたうち回った。


スライム酸追加で倒してやった。


魔石を食べて「猪突猛進」を覚えたが、紙装甲の私には自爆技としか思えない。


猪の生肉を「スライム消化」を使って食べたら、意外に美味しかった。


「うめえな。スライム消化も使えるな」


けど、先に肉を「ガマ袋」に入れれば良かったと思ったときには、敵が迫っていた。

30センチのメガスズメバチが横取りにきやがった。


「針がでかい。3匹相手に真っ向勝負はヤバイ」


猪肉を譲るふりして離れると、私のことは無視して、3匹とも肉を食いちぎり始めた。



口と手を突きだし、スライム酸で一網打尽にしてやった。


「おおっ、早くも第2の攻撃手段だ」


メガスズメバチの魔石から得たのは「ポイズンニードル」。両手に発動させると、中指の拳骨が伸びる感じて針が突き出した。ナイフ代わりにもなるし、念じると飛び出す。


飛ばすと木の幹が30センチくらいえぐれた。


「これはアサシンみたいでいいな」


次の拠点はサボサでなく、さらに西海岸を北上してラヒドに置くつもり。

ギルドガードも作り直すから、職業アサシンもいいかな。



「けど、もう1ヵ所、発動できるのはアソコなんだよね・・」


ハチの針はケツにある。嫌だが唱えるしかない。


「ポ、ポ、ポイズンニードル」


お尻が蜂のようにでかく長く伸び、先端に魔方陣が浮かぶと、根元直径6センチ、長さ20センチで三角錐のニードルが出てきた。


長いお尻は自由自在に動かせて、股下を通って、針を前にも向けられる。


ニードルを飛ばしてみると威力は手と変わらないけど、手の自由が利くのが大きい。


針付きのお尻を振ると、後ろの木がえぐれた。私の剣技をはるかに上回っている。


人前では見せられないスキルもできたが、復讐の手段は着実に手に入れている。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る