第3話 攻撃手段ゲット


森の入り口にたどり着くと、スライムを見つけた。


普段から入る草原でも見かけて、たまに倒して少しの経験値を得ていた。現在はレベル8。スキルなしの限界はレベル10と言われている。


「まあ、とりあえず倒すか。けどここは高ランクモンスターもいるって話だよな」


ぴゅっ。丸い体の一部から管か出て酸を吐いた。

「スライムも普通のブルーでなくて、良く見たらアッシュスライムか・・。けど、よくよけれたな。あっ」


私は崖から落ちて、岩トカゲの上に乗った。あれで私が岩トカゲを倒した判定なら・・


討伐推奨レベル40の魔物の経験値が入っている可能性がある。



今度は長い木の棒を持ってアッシュスライムに向かった。酸を吐かれたけど、難なく避けて棒で突きまくった。


10回くらい刺したら、スライムがでろんとなって討伐成功。酸の体液の中でも構わず手を入れて魔石を取った。


「うまそう・・」


食ったら液体生成、酸精製とかの魔方陣が私の中に刻み込まれた感覚。


右手に集中したら完成した魔方陣が浮かんだので言ってみた。


「スライム酸」


ぴゅっ。指先から出た液体が木に当たって煙を上げた。


「意外と強いスキルだ」


周りで違う種類のスライムに酸をかけまくり、魔石を食いまくった。「スライム消化」、「スライム毒」、「スライムヒール」を手に入れた。


「スライムヒールと再生って、回復系が2つも手に入った。これなら生き残れるかも」



希望が出てきたが、油断せずに森に入っていった。



「魔方陣自体をまったく理解してないのに、スキルが使える。アッシュスライムは考えてなさそうなのに「スライム酸」を使ってる。それと一緒なのかな」


学がない私が考えても答えは出ない。

自分の意見で自分を納得させるしかないのだ。



分かってるのは、魔方陣は複雑で人間は「適正」がある一種類しか魔方陣の仕組みを理解できない。


火の適正者は「着火」の魔方陣を作れる。MPを増やし同時に出せる「着火」の枚数を重ねて火の魔法を進化させていく。


「私のは根本的違う気がする。決まった魔法の設計図が本能に刻み込まれた感じなのかな。進化してほしいけど、仕組みがなんも分かんない。また考え事してた」


ガリガリ!


「いてっ、森に入って10分で傷だらけって、どういうことよ」


40センチのネズミに翻弄されている。


ちょっと大きい2匹のネズミに足をかじられまくった。


この世界、同じような生き物でも、獣と魔獣がいる。

このでかさは、間違いなく魔獣だ。


「スライム酸。くっそう。右手に魔方陣が作られるまでタイムラグがあるから、簡単に避けられる。強力でと当たらないとダメだ」


トカゲの再生能力があるから治るけど、明らかにMP消費がある。


スキルと魔法が使えない頃のMP1ではないと思うけど、残量が分からず不安だ。

感覚的にはたっぷりあるけど、数値の予測がつかない。


「まずは目の前のネズミ。スライム酸を速く飛ばす方法は・・」


む、喉に何か魔方陣が作られた感覚。喉のコーティング、唇が自分で見えるほど細く長く伸びて、酸っぱいものがたまってきた。


この準備が一瞬で終わった。


びしゅっ。びしゅっ。びしゅっ。


「きいぃぃ~」


威力には、手から出すときと差がなさそう。

だけどスピードが違う。


「ぴゅる、ぴぺ、ぴゅぴゅ・・」

これが、本来の使い方なんだ、とつぶやいた。


「検証はあとにして、戦えそうね。ネズミに止め刺して、魔石と」


今までのと違い美味しそうでもなく、ドブ臭いネズミの魔石は固くて食えなかった。もちろんスキルも得られなかった。



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