シャカンキョリ ー三姉妹(かとりけ)の再生ー
七熊レン
0章 花鳥(かとり)家の三姉妹 -Side.M-
プロローグ
『恋愛物に挑戦するから、二人の恋バナ聞かせて』。
そんな妹のメッセを受け、
出会い頭に軽く挨拶を済ませ、
「
ぶっちゃけ、想像さえ出来ないってーか。
だから、『恋に落ちる』って、どんな感覚なのかなーって」
そう嘆き、背凭れに身を預けるは、勝ち気でボーイッシュでフレンドリーな妹、
「ちっ、ちっ、ちー。
まだまだ青いなぁ、
恋ってのは、落ちる物じゃなく、落とす物なんだよー」
などと余裕振って年上風吹かせつつ、テーブルに顔を付けグダーッとしているのは、
「まーた適当な
「お断り」
「
姉は
「私は、誰も信じてないし、信用出来ない。
ましてや、純愛なんて
この何もかも
それだけ言うと、姉はジョッキを一気で空け。
めっちゃ悔しいけど。
いや、ま、他の誰かに聞かれようものなら、『どこがっ!?』ってツッコまれそうだけど。
どっちかってーと今の
そんな
食べ終わった焼き鳥の串で「えいっ、えいっ」と姉の頬を刺すのに飽きた
「
「お代わり来たら起きるでしょ」
「だね。
で、
「ん……。そうだなぁ……」
話を振られ、反応に困りつつ
といった振りをしてから、
「……ごめん。
よく分からんし」
「
お年玉、返してよぉ!」
「だから、ごめんて。
お詫びに、今日は
「マァジでぇ!?
じゃあ
すみませーん!」
「ちったぁ遠慮せぇ」
相変わらず、小生意気で可愛い妹だ。
こんな素直な妹と
「あれ?
……まさか、もう帰る気っ!?
無意識の
「……ん。
違うから。
ちゃんと奢るし」
「そっちもだけど、違うのぉ!
「そっちも
正直でよろしい。
あと、あんたも分かるでしょ?
こういう場面で女性が立ったら、ノータッチを貫かないと、デリカシーに欠けると判断されるって」
「ん〜?」
少し首を傾げ考えた後、パァッと明るくなる
「なーんだ!
行ってらー。ちょっぱやで帰って来てねー」
「いや、新婚気取りか」
相変わらず単純な
と見せかけ、実は外に出、店の裏に移動し、壁に体を預けながら、
「
馬っ鹿みたい……」
そう。
これが三姉妹の次女、
そして、これからお送りするのは。
こんな難儀な
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます