【中途半端な幸せに】

中途半端な幸せに

憂悶ゆうもんの日々

変化の強制に

夢のむくろの弔いに

もう惨々さんざんである


中途半端な幸せの

産み落とされしかすみの其の懐中

霞はたちまち視界をにぶらせ

己の魂さえもかすませる

社会などはもう見えない


中途半端な幸せに

気付けば刹那

あっと云う間に日が暮れる


中途半端な幸せから

一寸ちょっとだけでも離れたくて

一歩々々と後退し

後退が何時しか前進となり

戻るに戻れず

娯楽の麻酔に溺れゆく


中途半端な幸せに

為す術なく

みじめにも怖気づき

其の内の内

幸せすらも恐れてしまう様に成るであろう

静かな日影が心地良い


中途半端な幸せは

仮令たとえば眼前流れる豪雨最中の人喰い川

中途半端な幸せは

私へと孤独に就いて説くことであろう

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