第2章 草原の牙

第19話 ロック鳥

 俺はロックちょう三体に追いかけられている。

 パクッ、パクッ、パクッ、


 くちばしで俺を咥えようとする。

 そうはいくか!

 俺は一体のロックちょうの腹の下に潜り込んだ。


〈〈〈〈〈 百華連打 〉〉〉〉〉


「アチョウ!!「「アチャ!!「「アチャ!!「「アチャ!!

 「「アチャ!!「「アチャ!!「「アチャ!!「「アチャ!!

  「「アチャ!!「「アチャ!!「「アチャ!!「「アチャ!!

 「「アチャ!!「「アチャ!!「「アチャ!!「「アチャ!!

「「アチャ!!「「アチャ!!「「アチャ!!「「オゥ、アチャ!!


 ドンッ!!


 一体が地面に落ちて行く。


 後二体!!


〈〈〈〈〈 エアバット 〉〉〉〉〉


「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!

 「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!

  「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!

 「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!

「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!「「ドッ!!


 グァウオ~ン!!


「「オラッ!!「「オラッ!!「「オラッ!!「「オラッ!!

 「「オラッ!!「「オラッ!!「「オラッ!!「「オラッ!!

  「「オラッ!!「「オラッ!!「「オラッ!!「「オラッ!!

  「「オラッ!!「「オラッ!!「「オラッ!!「「オラッ!!

「「オラッ!!「「オラッ!!「「オラッ!!「「オラッ!!


 俺は二体目のロックちょうの全身を殴る!!


 バキッ、バキッ、バキッ、バキッ、バキッ、

  バキッ、バキッ、バキッ、バキッ、バキッ、

   バキッ、バキッ、バキッ、バキッ、バキッ、

 バキッ、バキッ、バキッ、バキッ、バキッ、


 ギャオ~ン!!


 全身の骨が折れ、二体目も地面に向い落ちて行く。


 残るはあと一体だ。

 すると奴は敵わないとみて逃げ始めた。


 まて経験値!!

 逃がしはしない。

 やはり攻撃魔法が欲しい。

 打撃技には限界がある。

『雷魔法』なら使い勝手が良いだろう。

 この三匹で700の経験値を得ることが出来れば良いけど。



 俺は逃げて行くちょうを全速力で追いかける。

 そしてやっと追い付き、尻尾を掴み振り回した。


 それ!!


 ブ~ン、ブ~ン、ブ~ン、ブ~ン、

  ブ~ン、ブ~ン、ブ~ン、ブ~ン、

   ブ~ン、ブ~ン、ブ~ン、ブ~ン、

  ブ~ン、ブ~ン、ブ~ン、ブ~ン、


 何十回も振り回し、上空に放り上げる。

 そして堕ちて来た勢いを利用し胸に鉄拳を一撃!!


 ピキッ!!

 魔石が割れる音がした。

 そして地上に落ちて行った。


 よし、やったぁ~!!


『経験値620を獲得いたしました』

 なんだあと少し足りない。

 スキルは獲得できないのか。

 レベルも78だから、中々上がりそうもないし。


 ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇


 時は少し遡る。

 俺達は『草原の牙』という王都でもAランクの3人組の冒険者パーティーだ。

 タンク役のラルフ、魔術師で紅一点のキリル、そして戦士の俺はジャンだ。

 王都からの依頼を受けこんな田舎の、辺鄙へんぴなところまで来ている。


 話によると人をさらう鳥の魔物が出ると言う。

 その調査をしてほしいと。

 さすがに空を飛ぶ魔物は手出しのしようがない。

 だから調査だけでいいと言われ依頼を受けた。


 そんな時だった。

「おい、見ろあれを!!」

 魔法使いのキリルが声をあげる。

 空を見上げると大きな鳥の魔物が3体、空に飛んでいる。

 どうやら鳥のようなものを追いかけて取り合っているようにも見える。


 あの鳥も可愛そうに。


 そんなことを思った時だった。


 物凄い音がして一体の魔物が堕ちてくるのが見えた。

 これはどうしたことだ?


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