第17話 明日は

「待たせたわねレオ」

 お別れ会が終わり私は、実家の部屋に戻って来た。


「レオ、良い子に待ってた?」

 私はレオの入ったポーチを開ける。

『遅いよアンジェラ!!』

 そういうとポーチから飛び出した。


「ごめん、ごめん。お別れ会が長引いてしまっててね」

『窓を開けてよ』

「えっ?」

『窓を開けほしいんだ』

「こんな夜に?」

『そうだよ、早くして!!』

 レオに言われるまま私は窓を開けた。

『ちょっと行ってくるね』

 そういうとレオは夜空に飛んで行く。


 ずっとポーチの中だったからお腹が空いたのかしら?

 悪いことをしたわ。



★レオ視点

 ふぅ~。

 間に合った…。

 危なかったぜ!!


 大人になったらさすがにもぐせもらせないからね。

 お腹も空いたな。


 俺は近くの木々に飛び移り、木の葉や樹皮を食べることにした。


 冬場になったら、どうするんだろう?

 普通リスなどは、今のうちに巣穴に餌は貯えて行くのだろうけど。

 冬は森で暮らすか?


 まさかね。

 やっぱり収納魔法が使えるようになりたいな。


〈〈〈〈〈 ピンポンパポン、ピンポンパポン 〉〉〉〉〉

 そんなことを思っていると突然の中で音がした。

 ステータス画面が目の前に現れる。

 なんだ?


 すると画面には『収納魔法』まで経験値は後1,500。

 これは思い描いたスキルを得ることが出来るのか?

 おぉ、これはいい!!

 便利な機能だ。


 MPが5,000以上はあるのに、魔法が使えないのは変だと思っていたんだ。

 それなら炎や雷系の魔法も使えるようになりたいな。


 すると画面に『火魔法650』、『雷魔法700』の文字が現れる。

 後の数値は経験値か。


 これならランダムなスキルより、自分の好きなスキルを得られる。

 本当に嬉しい!!

 でもまずは『収納魔法』だね。

 明日からレベルUPに努めようかな。


 そしてアンジェラとも今夜でさよならだ。

 村まで同行するのが約束だったからね。


 月明かりに照らされた夜空を俺は飛んでいる。

 目が慣れると意外とよく見えるものだ。

 さて、明日からどちらに行こうかな。


 俺はアンジェラの家に戻った。

「どこにいっていたのレオ」

『散歩だよ、散歩』

 そう言いながら俺達は笑った。

「もう、こんなに夜遅く。しばらく帰ってこないから、心配したんだから」

『ごめん、ごめん』

「さあ、もう寝ましょう。おやすみレオ」

『あぁ、おやすみアンジェラ』


 そしてその夜はアンジェラに、いつもより強く抱きしめられて寝た。

 まるで明日がお別れだと言っているかのように。


 おやすみ、アンジェラ。

 また明日…。


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