第8話 初めての冒険
翌朝、冒険者ギルドに行くと、依頼を受けてくれる冒険者が見つかったとのこと。
紹介されたのはDランクパーティー『赤い翼』だ。
「俺は赤い翼のリーダー、アドレーだ。よろしく」
「俺はエリアスです。こちらこそ、よろしくお願いします」
アドレーさんは25歳くらい、大きな両手剣を下げ180cmくらいの人だった。
『赤い翼』は4人でメンバーを紹介された。
片手剣と大きな盾を持ったジェイ さん。
動きやすそうな服装で弓を持ったエリノルさん。
斥候なのか軽い装備でショートソードを持ったランダルさんだ。
男性3人、女性1人のパーティだ。
念のため、鑑定をしておいた。
【スキル・鑑定】簡略化発動
名前:アドレー
種族:人族
年齢:25歳
性別:男
職業:剣士
レベル:20
【スキル・鑑定】簡略化発動
名前:ジェイ
種族:人族
年齢:23歳
性別:男
職業:重騎士
レベル:23
【スキル・鑑定】簡略化発動
名前:エリノル
種族:人族
年齢:22歳
性別:女
職業:狩人
レベル:21
【スキル・鑑定】簡略化発動
名前:ランダル
種族:人族
年齢:26歳
性別:男
職業:シーフ
レベル:22
う~ん。比較が分からないから、高いのか低いのかがわからないな。
そしてしばらく話し、特に異存もなく依頼となりそのまま街を出ることにした。
冒険者ギルドが選んだメンバーだ、間違いはないだろう。
俺はEランクのゴブリン討伐の依頼を受けた。
『赤い翼』のメンバーに森での行動の仕方を教わったり、ゴブリン討伐の援護をしてもらう。
討伐部位はゴブリンの右耳だそうだ。
そして胸の中にある魔石を売れば、少しはお金になる。
『赤い翼』のメンバーたちとアスケル山脈の森を目指す。
聞いたところによると依頼でもない限りは、街から1~2時間くらいのところまでしか離れないとのこと。
あまり離れると暗くなる前に街に戻れないからだ。
時間の目安は太陽の上った位置を基準にしているそうだ。
アレンの街の東側にアスケル山脈と言う山がある。
その手前のアスケルの森が狩場だ。
街道から1時間くらい歩き、森の中に入り薬草について教わった。
森の中は果物があり今は6月。
時期によって採れる果実が違うはずだ。
『赤い翼』のメンバーにも探すのを手伝ってもらった。
アドレーさんとジェイさんが警戒を、軽装のエリノルさんとランダルさんが果物を探してくれた。
それからグミの実やブルーベリー。
小さいがビワもどきやイチジク、硬いトウモロコシが見つかった。
山菜やキノコも見つかり、それをストレージで収容していった。
ストレージで収容しているのを見て『赤い翼』のメンバーがとても驚いていた。
使い方が間違っていると言われた 。
山に果物や穀物を取りに来ても、手に持てる範囲しか持てない。
でもマジック・バッグ(ストレージ)があれば、売るほど採れるからだ。
そしてしばらく森の中を歩いていると、小人のような魔物3匹に出会った。
潰れた顔に大きく裂けた口、小さな牙が上向きに生えており肌の色は緑色。
「あんちゃん、ゴブリンだ」
アドレーさんが言う。
「まずが俺が見本を見せるぜ」
ジェイさんがそう言うと、ゴブリンに向かっていった。
ゴブリンの錆びた剣を右から左に受け流し、返す刀で切る。
一瞬だった。
そして残りのゴブリンはエリノルさんが弓で牽制してくれた。
「今だ、エリアス君」
俺はアドレーさんの真似をしゴブリン剣を右から左に受け流し、返す刀で切る。
「グギッ!」
浅かったのがゴブリンが剣を振りかぶる。
俺は飛びのき剣を構え一歩踏み込み切り下げる。
これで一匹。残り一匹だ。
ゴブリンがめちゃくちゃに剣を振る。
俺は沈着冷静スキルで落ち着き剣を上から叩き、横に振った。
「グァ!」
ゴブリンの首から緑色の血が流れ倒れた。
「お~、凄いなあんちゃん」
「ほんと、初めてにしては落ち着ているわ」
「すげ~よ」
「安心して見ていられたよ」
みんな口々に褒めてくれた。
ゴブリンを倒した瞬間、なにか体に熱いものがこみ上げた。
レベルUPしたのか?
「ステータスオープン!」
名前:エリアス・ドラード・セルベルト
種族:人族
年齢:15歳
性別:男
職業:……
レベル:2
HP 50→55
MP 100→105
筋力 20→22
攻撃力 20→22
防御力 40→42
知力 50→52
器用さ 20→22
素早さ 40→42
運 50→52
EXP 0/30
状態:良好
【スキル】
生活魔法(火・水・氷・風・光)
世界の予備知識
【ユニークスキル】
異世界言語
鑑定
時空間魔法ストレージ(カスタマイズ可能)
創生魔法
【メンタルスキル】
沈着冷静:LV1
高速思考:LV1
魅力(人から好感を持たれる。発動しないこともある)
【加護】
女神ゼクシーの加護
愛し子
LVが2に上がりステータスも少し上がっている。
沈着冷静、高速思考にもレベルがあるのか。
戦っている間、妙に落ち着いて先読みができたのは、このスキルのおかげか。
だがこの後、俺達では太刀打ちできない、強敵に出会うとは思わなかった。
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