明日を過ごす君へ

宵闇(ヨイヤミ)

1日目:異変

ある日、幼馴染の明日香がおかしなことを言い始めた。今日は週の真ん中、“ 水曜日 ”だ。しかし明日香は、『昨日はすごく晴れてたけど、今日は雨なんだね。天気予報は晴れだったのになぁ……』と言っていた。


俺と明日香の家は隣同士で、昨日は一日曇りだった。明日香は確かに『昨日はすごく晴れてた』と言った。隣同士で、そんなに天気に差が出るはずがない。


「明日香、昨日は曇りだったよ」

「そんなはずない!晴れてたよ!」

「……いや、間違いなく曇りだ」

「だって、昨日一緒に駅まで出かけたじゃない!曇りなら出かけてないよ!」


こいつは晴れの日以外、出かけることがない。天気が悪いと体調を崩すからだ。だから昨日もこいつは家から出ていなかった。そして、俺も家から出ていない。


試しに俺は、明日香に質問をした。


「今日は何曜日?」

「ん?“ 木曜日 ”に決まってるじゃん」

「何言ってんのさ。今日は水曜日だよ?」

「そんなはずないよ。昨日は確かに水曜日だったもん!」


確かにあったはずの“昨日”なのに、内容も曜日も、全てが違う。全く話が噛み合わない。多少違う程度なら、記憶力の問題だと片付けられるのだろう。だがしかし、流石にここまでズレていると、そう言うことが出来ない。


だがここで一つ、疑問が浮かび上がる。今現在、異なる曜日を過ごしている俺らは、確かに“今”向かい合って話をしている。



_____今は一体何曜日なんだろうか。

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明日を過ごす君へ 宵闇(ヨイヤミ) @zero1121

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