即興小説集

猫又大統領

その瞳に映るものは? お題  わたしの好きな瞳

あれから、私は別の生活を始めた。学校は廃校になったと聞いた。そして誰もあの時のことを語ろうとはしない。

 あのとき突然、授業中にアナウンスが響いた。 

「どうか許してくれえええ」 

 校長の声だった。 先生たちは放送室に急いで向かったが、誰一人帰ってこなかった。そのあと、野次馬のように大勢の生徒たちが向かった

「きゃああああああ」

「あああああああ」

男女の悲鳴が次々に聞こえた

「逃げろあああ」

その声でみんなが逃げた。将棋倒しのようになって動かない人を私はよけて通り過ぎた。

みんなは校庭に向かった。私は校庭の見える理科室向かった。

「待った?」

「待ってないよ。お姉ちゃんね

「ここまで頑張って準備したもんで」

「そうね。アイツら見て私たちが書いた魔法陣の近くに集まってる。予定通りね」

「復讐だね」

「あんたは巻き込みたくなかった」

「いいの。姉妹でしょ 唯一の肉親だよ。もういないよ。優しいひとは」

それから、姉は呪文を唱えた。聞いたことも言葉。終わりの言葉。幸せの始まる言葉

そして、校庭からは悲鳴が響く。一人もいなくなるまで響いた。

姉の瞳には炎と怪物が映っていた


永遠に忘れることのない、わたしの好きな瞳

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