不登校について思うこと

 不登校の定義を聞いたとき(詳細は忘れた)、うちの息子たちは立派に(?)不登校だなあと思ったものです。週1回休むと「不登校」のくくりになりました、確か。でも、わたしの意識も息子たちの意識も、「不登校」という意識は全くありませんでした。


 そもそもね、まだ幼い小学生を虐める教師がいることが問題なんです(実話)。それを学校側も認識している(確認済み)。だけど、教師を辞めさせたりは出来ないし、担任を替えたりも出来ない。転任させることも出来ない。


 くだらない。

 まったく、くだらない。


 わたしは休む日を決めて、学校に行かせることにしました。「休む日」は話し合って決めました。友だちと遊びたい日は行かせたり、或いは、図工など、自宅で行うことが難しい授業の日は行かせたり。でもやっぱり休んだり。


 特に長男は、「嫌なこと」が忘れられない子どもでした。思い出して何度も刷り込んで、「嫌なこと」がさらに嫌になる。

 分かる。

 自分もそういう子どもでした。

 そして、自分を虐めた、自分よりも立場が上の人間がいつも学校にいるのです。そりゃ、変にもなります。


 学校辞めて、フリースクールとかに通うことも考えました。

 でもさ、フリースクールって高いんだよ。

 それに、遠いし、そもそも、そこを運営している人間やスタッフ、そしてそこに通っている子たちが、信頼出来るかどうかなんて、まったく分かりません。

 わたしは、学校側と我ながらうまく会話をしていたので、教頭先生や校長先生、支援の先生とはうまくコミュニケーションがとれていたし信頼もしていました。それに、周りのママたちともうまくやりとりをしていました。

 そういうのを全部捨てて、新しいところへ行く体力は全然ありませんでした。


 そんなわけで、「なんとなく」小学校は通わせていました。

 わたしが一人になりたいときとか、用事があるときは「学校行ってよ」と行かせました。わたしのこころの平穏も大事なんです(と、息子たちにも言っていた)。

 高学年になると、一人でお留守番も出来たので、学校休んで家にいたりもしました。


 あとはね、習い事をさせていました。

 そこで居場所があったのです。

 そういう感じでいいかな? と思っていました。



 不登校のための子の居場所作り みたいなニュースを見て思うのは、結局どこかに行かねばならない圧を感じるなあってこと。「学校行かなくてもいいけど、学校に代わる、学校に相当する場所には行かねばならない」っていうふうに聞こえるのです。

 別に家にいればいいじゃん?

 習いごともいろいろあるし、それでいいような気がする。

 

「って、思うんだけど、どう思う?」

「習い事でいい気がする」

「うん。でもまあ、結局、家にいると親の負担が大きいんだろうね」

「それはそうかも」



 長男を虐めていた先生に言われたことがあります。

「そんなふうに休ませられるのは、お母さんが働いていないからですよね?」


 お前のせいだろ?


 とは思ったけど、言いませんでした。

 わたしは当時、在宅の仕事が忙しかったのだけど、それも言いませんでした。在宅仕事はコロナ以降は受け入れられやすいけど、それ以前は認知度は低いのです。わたしは、一応少し働いていたけれど、めんどくさいから「専業主婦」の顔をしておりました。

 専業主婦に対して「わたしは働いていて偉いのです! あなたは家にいるだけでしょ」って言われた気持ちになりました。




 でもね。

 わたしは今でも思うのです。

 あのとき、フルタイムで働いていなくてよかったって。

 仕事を優先していたら、もっとずっと困ったことになっていたって。


 あのね、子どもを育てるって、何よりも、他のどんなことよりもたいせつなことで、そして胸を張っていいことだと、わたしは思います。


 履歴書の空白多いけど、でもわたしはそれでいいのです。

 ちゃんと、一生懸命、子どもを育てて来た。



 そして、まだそれは続く。

 もう伴走する感じではなくて、少し離れて見守る感じだけど。

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