第11話

ソイスは萌と一夜をともにした。

「よかったわ。あなた若いのにじょうずねぇ」

「DVDで覚えた」

「そう、便利なものがあってよかったわねぇ」

萌が皮肉っぽくいった。

「私のこと好き?」

「ああ、大好きだ」

「じゃあ、またお店に通ってね」

「何だ、やっぱりそうなるのか」

ソイスは少し辟易した。

「ボクに惚れてるわけじゃあないんだ」

「あら、好きよ。愛してるわ」

ソイスは萌が営業をしていることを知っていた。

営業用のセックス。営業用の愛の告白。

営業用のETC。

ともかくすべては商売のためなのだ。


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