第2話 かなりやばい子…かも

「へ…?」


「何か間違いでもありましたか?」


いやいや間違いというか可笑しい所しかなくないか?目の前のネフティーはニコニコ笑ってるけど…


「いや、あのぉ世界を救う為に呼ばれたと思ってたんで、すよ…」


ネフティーはポカンとした後に笑った。


「なるほど〜、それは面白い勘違いですね!」


「で、ですよねー!」


「ふふふ、私の呼んだ方が面白い方で良かったです、期待していますね」


これはヤバイ!まさかの魔王ルートだったよ、俺は人間だったからさ世界違うとはいえ人をあまり傷つけたくないんだよなぁ…


「どうして世界を征服したいか聞いても…?」


「説明したいんですが今は時間がなくて、此処から無事に脱出した後でも良いですか?」


「え、脱出?」


脱出ってなんだ、この部屋の状況とか召喚理由とかがヤバめだったからなるべく考えたくなかったんだけど偶に外から聞こえる人の声が関係あるのか?


実は会話している最中に人の声が聞こえていた、ネフティーもスルーしていたし大きさ的に遠くだと思い特に難しく考えていなかった。


「私の信者達が作ってくれた神殿なのですが襲撃を受けてまして、そこで骨になってる人達が生き残っていた最後の人達でした。今はトラップで足止めしてるって言ってました」


部屋に落ちている人骨が本物だった様です、最後の人達って骨だけになるの早すぎじゃない?


「貴方の力を試すのに丁度いいですね、早速この骨に憑依してみてください」


ネフティーは骨の山から1つの頭蓋骨を手に取り俺の方に差し出してきた。


「憑依したい!憑依したい!って強く思えばできますよ」


しばらく黙って固まっていたからか憑依のやり方を教えてくれた。


ふぅ、やるしかないか。


憑依したいと強く願う、ネフティーの持つ頭蓋骨に身体が引き寄せられ骨山から恐らくこの頭蓋骨と同一人物の骨が飛んでくる、大体30秒くらい経っただろうか俺は動く骸骨、スケルトンになっていた。


「グッ…」


「おぉ!流石です、貴方の力に憑依した存在のスキルや魔法を自分の物にする能力があります、劣化しますが…まだまだ骨はあるので順番に憑依しちゃいましょう!」


健斗の脳には憑依した人骨、生きていた時の記憶、経験が飛び込んできている追体験に近いが負担は大きく頭がズキリと痛む感覚が襲っている。


「あの、大丈夫ですか?」


「すいません…少し、頭が痛くて……」


「大丈夫です、次に行きましょうか」


大丈夫ではないのだがネフティーは健斗の入ったスケルトンの手を掴み骨山へ引っ張って行く。


「あの、本当に痛いんですよ」


「仕方ありませんね、私も無理やりはやらせたくないので神の力で痛みを感じない様にしてあげます!」


「できるなら、お願いします…」


頭の痛みが消えるならと深く考えずにお願いし、ネフティーはスケルトン、正確には健斗の魂に触れビー玉ほどの球体を取り出した。


「スゲェ…」


それと同時に痛みが消え、思わず声を出してしまった。


「消えましたね?早くやりましょう、襲撃者達がどんどん近づいてきてますので」


「わかりました」


頭蓋骨を1つずつ取り出し憑依していく、1つ目のように経験が頭に流れ込んでくるが痛みは感じない。


「ではステータスを確認してみましょう!」


最後のスケルトンに憑依した時にネフティーが言った。


ステータス!ラノベ好きなら一度は憧れる、どんな感じなんだろ。


「ステータスと唱えてみてください」


「ステータス!」


ーーーーーーー

【ステータス】


名・ケント 

種・霊体


〈スキル〉

・無音  Ⅳ  ・祈り  Ⅴ

・加速  Ⅱ ・暗視  Ⅰ

・冷静  Ⅰ ・瞑想  Ⅰ

・気配遮断Ⅱ  ・気配感知Ⅰ

・剣術  Ⅰ  ・暗殺術 Ⅱ

・杖術  Ⅳ


〈魔法〉

・下級属性魔法Ⅱ ・中級火魔法 Ⅰ 

・中級風魔法 Ⅰ ・中級闇魔法 Ⅳ

・呪術    Ⅸ


〈称号〉

・女神の眷属 ・世界を渡る者


〈加護〉

痛覚無効  精神安定

ーーーー  ーーーー


ーーーーーーー


「お、おぉ」


夢にまでみたステータス、想像していたのと少しだけ違うが見れただけでも嬉しい。

あれ加護の所だけ消されてるのか?


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