優しい?女神様と異世界征服

ノツノノ

救いま…え?

第1話 これぞテンプ、レ?

俺はごく普通の男子高校生。

あぁ勘違いするなよ?ラノベの主人公みたいに実は古武術の使い手だったー、とか実は実力を隠してるー、とか全くない。

家族もみんな普通だ、親はサラリーマンで妹が1人いるが難しい時期なのかほとんど会話なんてしない実は妹にめちゃめちゃ好かれてるとかもない、なんなら妹は彼氏いるから。


な、普通だろ?


まぁ俺もそういう時期で異世界転生とか異世界転移とか無双とかやってみたいって考える毎日だ。


「オススメしてくれたの読んでみたけどめちゃくちゃ面白いな!」


「当然だ、俺のオススメなんだからな!」


親友であるラノベ博士、オススメされた作品はとても面白くハズレない個人の好みに合わせているのかどういう作品が読みたいか言うとすぐにオススメを教えてくれる。

俺の場合は無双ハーレム系が多いな。


「はぁ、俺も魔法使ってみたいなぁ」


「お?健斗も意外とそういうの考えるんだな」


「当たり前だろ?仲間と一緒に強大な敵に立ち向かう、サイコーじゃないか」


「同意する」


そんな事は起こらないって思っちゃうんだよな、考えるだけで楽しいし実際に転移とか転生したらラノベみたいに上手くはいかないだろうしな…

よくあるトラックとか事故での転生とかも運転手さんどうなったか心配になるし、異世界に行ってすぐ人間と戦う作品だってあった。


「そうだ、これ貸すから読んでみろよ好みとは少しズレてるかもだけど面白いのは保証するよ」


「お、サンキュー。帰ったら速攻読んで明日返すわ、じゃあな!」


こんな事を毎日考えてたからなんだろうな。


「おい!まだ赤だぞ!」


「え?」


目の前にトラックがかなりのスピードで近づいてきてるのが見えた時に、


(異世界あんのかな…)


こんなバカな事を考えちゃったのは。


『昨日午後4時半頃◯◯町の交差点で交通事故がありました、被害者は病院に運ばれましたが意識不明の重体との事ーーえぇ、失礼しました此処で速報です◯◯区◯◯中学校で集団失踪事件がーーー』


ーーーーー


此処はどこだろうか、俺は硬い石のベットのような物に横になっているようだ。


「知らない天井だ…」


言いたくなっちゃうよね!

はぁ、そんな事より此処は病院なのか?


「グッ、いてて」


体を起こし周りを見渡す、あるのは蝋燭に変な魔法陣、怪しい置物そして人骨のような物まである。


「誘拐されたのか、いやでも俺はトラックに轢かれて…」


「お目覚めになられたのですね!」


急に聞こえた声の方を向く、そこには銀髪で中学生ぐらいの女の子が立っていた、それもかなりの美少女である。


「混乱されてると思いますので軽い自己紹介を、私の名前はネフティー、貴方をこの世界に呼んだ女神です」


女神!それにこの世界だと?!

まさか、これは異世界転移なのか…?


いや俺は帰らなくちゃいけない、まだ続きが読みたいラノベがあるしトラックの運転手さんどうなったか気になる、世界を救ってほしい的なやつだとしてもここは心を鬼にして断らないと、でも転移系って帰れない可能性が」


「はい!貴方は帰れません!」


目の前の女神様は良い笑顔で言い放った。

可愛いなぁ…


「ちなみに、どうして帰れないか聞いても?」


「正直そんなに帰りたいなら元の世界に返しても良いんですけど、戻った瞬間消滅すると言いますか…貴方もう人間じゃないと言いますかぁ…」


煮え切らない態度だなぁ。

嫌な予感しかしないんだけど、やばい世界に転移させられたのか?


「貴方、もう亡くなってるんですよね…肉体がない魂だけの存在なんですよ、ね」


「…マジですか?」


「マジです。でも私のお願い聞いてくれれば生き返らせて返してあげられます、今は女神としての力が殆どなくて生き返らせるまではできないんですよ…」


世界救うルートしか残ってないっぽいな、仕方ないか。


「わかりました、やります…」


「ありがとうございます!これで愚かな人達を救済できます!」


「ははは、それは良かったです。ん?」


目の前の女神様は当たり前の様に言った。


「私と一緒にこの世界を征服してやりましょう!」

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