毎日毎日、鼾と歯ぎしりをする彼氏に私は完全にうんざりしている。

神石水亞宮類

第1話 毎日毎日、鼾と歯ぎしりをする彼氏に私は完全にうんざりしている。




私の彼氏は、“鼾と歯ぎしりをする彼氏”

私は看護師で、夜勤の仕事もあるから睡眠はちゃんと取りたいと思っている。

でも私の彼氏は私の隣で鼾と歯ぎしりをする。

毎日毎日繰り返される鼾と歯ぎしり。

私は日に日に【不眠症】になっていった。

彼の事は好きなのだけど、彼の鼾と歯ぎしりにはもう耐えられない!

彼にもその事を何度もしつこく言っているのだけど......。

彼は全く気にしていない!

本人がそれほど気にしていないと治るものも治らない。

そのくせ、私との結婚も真剣に考えている。

早く私を彼の両親に会わせたいみたいで、、、。




『なあ、今度! 俺の家族に会ってくれないか!』

『・・・ご、ごめん、仕事が忙しくて、また今度ね。』

『またそれかよ!』




彼のその気持ちは嬉しいのだけど......。

なかなか? その気持ちには答えてあげられない!

私は、このまま彼の鼾と歯ぎしりを我慢していく気もないし。

だからといって彼と結婚もしたい!

私はもう既に限界で、仕事にも使用が出てるのよと彼に言いたい!

彼はお気軽に自分の鼾と歯ぎしりを考え過ぎなのだ。

私の僅かな睡眠時間を返せ!

私が寝不足で朝起きるのも辛いというのに、彼は爽やかな顔で起きて

きて私にこう言うの。



『清華? 目にクマが出来てるぞ! 夜寝ないでテレビでも見てるのか?』

『はぁ!?』



そんな訳がないだろうが!

アンタのせいで私は目にクマができてんだろう!

寝れねーんだよ! お前のせいだ! その鼾と歯ぎしりをなんとかしろよ!



・・・何度彼にそう言いたかった事か。

彼はデリケートな性格で、私からそんな事を言われたら? 

数日は立ち直れないだろうと思っている。

物凄く気にする繊細な彼。

そのわりには鼾と歯ぎしりは爆音で私は眠れないのだ。




彼にあまりにも私が寝不足で眠れないからソファーで寝たいと言った事が

あるのだけど? 彼はそんな必要はないと私がソファーで寝ようとしたら

阻止してきた。

同じベットで寝てほしくないと言ったけど? 今度は彼が私にこう言う。



『・・・他に好きな男でもデキたのか?』

『はぁ!?』


なんでそうなるのよ! もうめんどくさい。

なんで分かんないのよ!

こんなに、アンタの鼾と歯ぎしりで困ってるというのに......。

彼には私の切実な声が聞こえていない!

私の浮気を心配するなら? 自分のその鼾と歯ぎしりを心配してよ!

私はただ眠れないだけなのよ。

彼氏のアンタが気づかない限り私の不眠症は治らないわ!









・・・もう限界!

私はどうしようもなくなり渋々彼に別れ話を切り出したの。



『ごめん、もう限界みたい! 大生のその鼾と歯ぎしりがずっと続くなら?

私達結婚なんかできない! 私は大生のその鼾と歯ぎしりが原因で不眠症

になったのよ! 大生の事は好きだけど私ともう別れて!』

『えぇ!?』



・・・彼もまさか!? 自分の鼾と歯ぎしりが原因で私が彼と別れたいと

真剣に想っている事をこの時初めて知ったらしい。

彼は慌てて私にこう言ったわ。



『ごめんな、俺の鼾と歯ぎしりがそんなに酷いとは思ってなかったんだ。

病院に行って診てもらうよ。』

『お願い!』


私の真剣な顔で彼はハッとさせられたのだろう。

次の日に直ぐに病院で診てもらっていた。

医者が言うには、少し太っているらしい。

ダイエットと食事に気をつければ少しは改善できるとの事だ。

早速私は彼の為に、ダイエットできる食事を作ることにした。



『ありがとう。』

『俺こそ、直ぐに気づいてあげられなくてごめんな。』

『・・・ううん。』

『俺の鼾と歯ぎしりが治ったら? “俺と結婚してくれるかな?”』

『うん! ちゃんと治ったらね!』

『ありがとう!』

『2回目の“ありがとうだね。”』

『それは2倍嬉しいからだよ!』

『私も嬉しい!』



この先、彼の鼾と歯ぎしりが治ったら? 

真剣に結婚を考えていきたいと今の私はそう思うようになったのよ。

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毎日毎日、鼾と歯ぎしりをする彼氏に私は完全にうんざりしている。 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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