第3話 ネットスーパー

 まずは『ネットスーパー』を確認ね。


 私はタブレットを持っている格好をした。

 すると左手にタブレットの画面くらいの画像が映る。


 まずはguruguruグルグル Playを立ち上げて…。

 あぁ、あったこれだ。

 といってもアプリアイコンは1つしかない。

 アイコンをタップする。


 しばらくして画面が立ち上がる。

 すると『利用規約』がでてきた。


 『利用規約に同意しない / 利用規約に同意する』

 

 私は内容を見ることもなく『利用規約に同意する』をタップした。

 まあ、目的があって起動しているのに同意しない訳がない。

 それに大概サイト登録は、こちらに不利益になるようなことは無いから。


 サイトの中を見てみる。

 そういえばお腹が空いた。

 なにか食べるものは無いかな。


 おぉ、パンがあった。

 6つ切り食パン、薄皮の5個入りパンとイチゴパンか。

 さすがに調理パンは無いか。

 だってネットスーパーだもの、賞味期限があるものね。


 そして更にサイトの中を見てみる。

 すると食べ物が多く今の私には必要のないものばかりだった。


 なに?このサイトは?

 ろくなものがない…。


 アイコンの名前をよく見ると、貴方の町の生活に添うお店。

 暮らしのスーパー『SAY YOU』と書いてあった。

 しかも貴方のが指す通り、規模が小さいのか品揃えが少なかった。

 

 私は不安になり、サイトの利用規約を読み返してみた。

 なに、なに…。


『利用規約:この世界にあると有害なものは、違う素材に置き換えられています。この世界に材料があり今の技術では無理でも、将来的には加工できそうな物のみ販売しております』


 ではこの世界に材料が無く、あっても将来的に加工できない物は売っていないと言うこと?逆を言えばサイト内のある物なら、今はなくとも作ることが出来ると言うことね。

 ふ~ん、なるほど。

 これからのこの世界の進化が分かる、ということか。

 だから、この品揃えなの…。

 パン、野菜、肉、魚、調味料、ティシュ、お菓子、飲料、酒、美容、雑貨、ベビー、ペットなどだった。


 なによこれ?

 全然役に立ちそうもないわ。

 私が頼んだのは通販サイトよ、通販サイト!!

 こんな田舎のスーパーではないのよ!!


 私が地団駄を踏んで怒っていると手紙に追記が現れてた。

『まあ、そんなに怒らないでよ。頑張って調べたんだから~。お詫びに利用すればした分だけ、お店にあなた好みの品ぞろえを増やすことが出来るわ。では頑張ってね』


 と、言うことはあの女神は通販サイトを知らなかったのね。

 だから通販サイトと私が、希望を出したときに挙動不審だったのね。

 見栄を張るなんて…。


 まあ、仕方がないか。

 こうして2度目の人生を与えてもらえただけでも感謝かな。


 試しに購入してみようか?

 お腹が空いたので私はサイト内の6枚切り食パンを購入した。

 カゴに追加しレジに進む。

 するとストレージ内に『6枚切り食パン』と表記される。

 ストレージから出すと確かに食パンだった。

 茶色の紙袋に入って出て来た。

 以前住んでいた世界では、大概の製品を包んでいるのは合成樹脂つまり石油製品だ。

『この世界にあると有害なものは、違う素材に置き換えられています』とはプラスチックゴミのことかしら?

 まあプラスチックだと燃やしても、有害な煙しか出ないからその方が良いかもね。


 そして他の物も購入して試してみた。

 ジャムなどは従来通り透明な瓶に入り金属の蓋で締まっている。

 ガラスはあると言うことね。

 液体はペットボトルの代わりに竹筒に入って出てきた。

 時代劇か?!

 プラスチックより、最初から燃える竹筒なら処分もしやすいよね。


 そして2回目から飲み物を購入する時には、ストレージに水筒を入れておけば飲み物だけチャージされその分、安くなることがわかった。

 同じものを購入するなら、その方が経済的だよね。

 竹筒だけ増えても意味が分からないから。


 私はイチゴジャムを付けた食パンをかじりながら、ひもを購入しウーロン茶の入った竹筒を下げて歩く。


 何かの時の為に武器を捜したけど、使えそうなものは鋼の包丁くらいだった。

 取りあえず、購入しておこうかな?


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