シェイクする宴
そうざ
The Shaking Banquet
憧れの合コンに参加したものの、全く下戸の僕は、取り敢えず大好きなコーヒーと、ウケ狙いで頼んだ牛乳とを交互に飲んでいた。
やがて、数人の男友達と連れションに立ったのだが、放尿の瞬間、事件は起きた。妙に小便が濁っているなと思ってよくよく観察してみると、コーヒー牛乳の色をしている。
謎の奇病に犯されたとドン引きしていると、気付いた友達が「飲ぉめっ、飲ぉめっ」と囃し始めた。皆、すっかり泥酔していたから、テンションがおかしくなっている。
一人が出続ける僕の小便を掌で掬って勢い良く啜った。周りは大爆笑だったが、当人は目を真ん丸にして「本当にコーヒー牛乳の味がするっ」と連呼。忽ち僕の股間に皆が群がった。
酒宴に戻ると、女子達も加わって悪ノリに拍車が掛かった。あれを飲ませてみろ、これを飲ませてみろ、の大騒ぎ。僕が下戸という事もすっかり忘れ、ドライジンとライムジュースを飲ませては「ギムレット~ッ」とはしゃぎ、ビールとトマトジュースを飲ませては「レッドアァ~イッ」と盛り上がった。
仕舞いには、下半身を丸出しにした僕を担ぎ上げ、シェイカー宜しく揺すりに揺すると、大口を開けた皆の列に小便を注いで回るという狂態を演じさせられた。
もう僕はぐでんぐでん。皆もすっかりべろんべろん。順番に僕の一物をしゃぶってはごくんごくんと喉を鳴らして唱和する。
「ソルティ~ドォ~~ッグ、最高ぉ~っ」
僕はウォッカもグレープフルーツジュースも飲まされていないし、増してや塩を舐めた記憶もなかった。
シェイクする宴 そうざ @so-za
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます