手紙を捨てる

苦贅幸成

第1話

 ひびき先輩、お久しぶりです。

 元気ですか。

 そちらでの生活は楽しいですか。

 共に過ごした短い期間に、あなたには幾つもの幸を貰いました。

 でも、私からはあなたに何もあげられなかった。

 そのことで、私は私を恨めしく思います。

 出来ることなら、私は



 そこまで読んで、私は手紙を適当に折りたたんだ。

 それから目の前のゴミ箱に捨てた。



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