日本衰退国史 平成編 第二三章 平成23年

その日はやって来た。東日本大震災が。


10年経って気が付いたことがある。菅直人は原子力村から情報を遮断されてそれでも自分で乗り込んだこと。そして福島県民に対する土下座。福島第二と東海第二が爆発寸前だったことである。


私はこれが安倍だったら土下座とか絶対に出来ないと思ってる。菅(すが)に至ってはご指摘には当たらないとか言いながら高級ホテルでパンケーキを食ってたのではないだろうか。


公文書をシュレッダーにかけるような男である。本当にこの時首相は菅直人で正解だったのだ。きっと安倍や菅(すが)だったら隠蔽されたに違いない。


そして3.12に象徴的な出来事が起きる


菅直人「爆発しないって言ったじゃないですか!!」


班目委員長「あああ~~~~~!!!」


TVで見てはじめて福島第一はアウトと気が付いたのである。そしてこのセリフに注目である。「爆発しないって言ったじゃないか」つまり「総理、大丈夫ですよ、我が国の原発は絶対に安全です」などとうそぶいていたのだろう。だから一切信用できずに被曝覚悟で福島第一に臨んだ。


なお、枝野は原稿なしでの会見である。菅(すが)なら不可能であろう。


この時東電の経営陣はこういったのだ。


「どの道吹っ飛ぶ」


これは所長以下に対する死刑宣告に等しい。クズの極みである。


これに対して菅直人は東電職員にこういったのだ。


「撤退したら東電は百パーセントつぶれる。逃げてみたって逃げ切れないぞ」(=貴様!?逃げれると思ってるのか?)


これ、安倍や菅(すが)なら言えます?絶対に言えませんよ。そして、


「幹部は死んだっていいんだ。俺も行く」


「無駄になってもいい。金がいくらかかってもいい。必要なら自衛隊でも警察でも動かす」


つまり「もう俺たち60歳以上だからもう十分生きただろ?俺も死ぬよ」って意味である。これが英雄でなくて何なのか。そんな人に約10年も我が国は泥を塗って来たのである。


なので2019年に書いた時のエッセイとは180度異なることを書いている。そしてコロナ禍と東日本大震災とで比較できたから分かった事である。安倍なら下手すると布マスクでも配ったのではないか?犬と戯れて「ステイホーム」などと言っていたのではないか。自分だけ安全地帯に逃げたに違いない。


だから東日本大震災の被害は逆に民主党政権だからこんだけの被害で済んだ。おそらくは。


建設機械で水を注入するというは海江田氏のアイデアである。「キリン」と名付けたのを覚えている。ナイスアイデアである。我々は制御不能の怪物を抑え込むことに成功する。


我々は東日本大震災の仮設住宅撤去になんと9年も掛かった。その間にオリンピックなどといった復興を邪魔することをやったのである。本当に自民は万死に値する。


そして震災が起きたのは民主党のせい、「天罰」という思考に日本人は陥るのである。もはや呪術国家である。2020年のコロナ禍でアマエビ様、看護師に慰問袋、飛行機の絵を描いて多数のCAの祈りを込めて飛行機の絵を描いた布マスクの提供、医療従事者に年賀状と言った迷惑千万な行為、国産ワクチンが作れない、医療用ガウンが無いから国民から雨合羽を集める、看護師はどんどん辞める、利権第一のGoToキャンペーン、何の役にも立たないブルーインパルスで応援。児童に「医療従事者に感謝しましょう」と言って拍手の強制も行った。ちなみにある市役所は毎週金曜日に市役所職員を強制動員して拍手を強制させた。もちろん、そんな行為に何の意味もない。自民ではないが「新型コロナウイルスにはイ●ジンが効く」と言った嘘も言った。科学的に考えてそんなわけないだろう。


人々の祈りを込めてマスクを縫うのは「合力呪術」と言って立派な魔術行為である。我が国はITの時代にこんな事をやってしまったのである。きっとタイベックス(使い捨て防護服)が不足したとき自民政権だったらきっと、こんな有様だったのだろう。


本当に自民政権だったら国が終わっていた。たぶん自民党政権なら「GoTo東北キャンペーン」を行っていたに違いない。「食べて応援」と称して「GoToイート東北」キャンペーンもやったに違いない。被災者の事よりも利権が第一と言うことがもうばれている。


これにより日本人は「民主党」という最強・最大のカードを失っていく。同時に自民党がやりたい放題のあげくに何か野党が突っ込んでも「民主党の悪夢」と言えばそれが免罪符になってしまったのである。


それだけではない。太陽光と蓄電池を普及していたら計画停電中でも普通の生活が送れたのである。なのに、我が国は3.11の教訓を活かせず2019年の千葉電柱台風で同じ失態を犯すのである。それどころか太陽光は不安定電力と称して原子力を再稼働させてしまうのだ。本当は民主党が再生可能エネルギーにかじを切ったのに自民が潰したのである。2度目以降の場合は喜劇になる。実は北海道でも震度7の地震が起きた時にも同様に計画停電が起きている。つまり震災で犠牲になった人の死を我々は無駄にしてしまったのだ。


しかし日本国民の屑っぷりはむしろ2012年に発揮する。それでは次に2012年に何が起きたのかを説明しようではないか。

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