第16話 魔物に追いかけられる
俺は今、ひたすら走っている。
それはもう必死に。
何故かって?それはつまり、魔物から逃げているからさ!ちょおこえええんだけどおお!!!
くっそ!無双伝説の始まりだと思ったんだがなあ!
ああすまない。暴走してしまったようだ。
まあ御察しの通り、俺は魔物に追いかけられているんだよ。
あれから街道を歩き始めたんだけどさ、どうやら俺が仕留めた魔物なのか、死んだ人のなのか、血の臭いを嗅ぎつけたらしく、魔物が沢山やってきたってなもんで、俺は恥も外聞もなく逃げ出しているんだよ。
まあ目撃者はいないんだけどさ。
ここでかっこつけて戦っても、今の俺じゃあ倒せないだろうし。
攻撃魔法知らねえし、武器?扱い知らねえよ!
「ひいい!何で追いかけてくるんだよ!俺は浄化したから血の臭いなんかないだろう!」
そう愚痴りつつ、走っているんだけどさ、さすがに息が切れてきたというか。
そして俺は魔物に追いつかれ、体当たりを食らってしまった。
「うぎゃああ!!!」
俺は吹き飛び無様に地面を転がってしまう。
そしてそのまま何だか落ちる感覚が。
え?まじ?もしかして俺何処かに落ちているのか?こんな死に方するの?
・・・・
・・・
・・
・
気が付けばどうやら地面に倒れたようだ。
いてて・・・・あちこち痛いぞ?
周囲は暗いな?だけどなんだ?上を見ると、明かりがある。
落とし穴にでも落ちたのか?
まあこれぐらいなら何とか這い上がれそうだが。
俺はこの穴をよじ登り、様子をうかがう。
登ったはいいが、魔物が周囲にいれば魔物の脅威にさらされるわけで。
だが、その心配はなさそうだ。
顔を出してもそんな気配はなく(たぶんだけど)、何とかよじ登った俺。
ぐるっと周囲を見ても何もいない。
俺は道に戻り、再び歩き出す。
しかしなんだな、こんな道があるのに道に魔物が出現するとか、異世界の危険は半端ねえな!
一人旅なんぞいくつ命があっても足りねえんじゃねえか?
そして暫く歩くと、何かが見えてくる。
お?建物か?
俺はどうやら人の住む場所へ到着したようだ。
建物に近づくが、建物というより壁だな?
しかしさっき俺を襲った魔物はどこ行ったんだ?
まあいいんだけどさ。
そんな事を思いながら進んでいくと、どうやら多くの人が出入りしている門が見える。
もしかして出入りに何かいる?
そう思ったけれど、道行く人々は誰にも呼び止められる事なく門を通っていく。
俺は警戒しながらも門を目指すが、誰も呼び止めないぞ?
門番と思われるの人がいるけれど俺を見るでもなく、俺はこの門を無事潜り抜けた。
もし門番に呼び止められたらどうしようかと内心ドキドキだったぜ!
俺は城?から追放された訳だが、何とか自力で人のいる場所まで辿り着いた。
しかし、腹減ったなあ。
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