第18話 潜入行

【EQ日記 8月25日 グレート・フェイダーク】


 やっとエンチャンターがレベル8になったので、念願のスペルを買いに行く。

 EQでは各地の商人がそれぞれ異なるスペルを販売している。レネルが達したらそれを買ってスベルブックに書き込む方式だ。


 重要なスペルの2つが見つからないので、調べてみると、なんと!


 エンチャント・シルバー呪文はダークエルフの故郷のネリアックでしか売っていない。普通の善キャラはこの街に進入したのを見つかるとタコ殴りにされる。

 エンクは変身呪文が使えるので、この場合はダークエルフに変身して侵入することになる。この変身呪文はどこでも売っているが使用可能レベルは12。うーむ。かなり先だ。

 友達鳥のダークエルフキャラにお使いを頼むことと相成った。


 もう一つの重要な呪文、ランク3ペット召喚呪文。これはハイキープでしか売っていない。

 ペットがいないとソロ・エンクに未来なんかない。仕方なしに買い出しに出かけることにした。

 森越え、丘越え、山を越え、下着一枚で港に辿りつく。船に乗り、長い時間を費やして大陸を渡る。

 どうして下着一枚かと言うと途中で死ぬと装備はそこに死体となって残るため、回収が困難なためである。その点全裸なら自分の死体を諦めれば済むだけである。

 ここからが正念場である。透明化の呪文をかけ、砂漠を渡り、暗闇の森で迷い、凶悪モンスターのいるハイパスホールドを、脇目もふらずに駆け抜ける。周囲は全部赤モンスターだらけだ。見つかれば命はない。

 困ったことに暗視能力をもつダイアウルフなどは透明化を見破るので厄介だ。周囲のモンスタの視線をチェックしながら慎重かる大胆に駆け抜ける必要がある。途中で不安定な透明化呪文が切れたりすればあわわの世界である。


 資料を漁り、LOC座標だけを頼りに、目的の商人を見つける。

 必要なスペルを手に入れたところで、全財産7ゴールドなり。


 EQは意地悪なゲームである。

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