(二)-18
しかしそれはたびたび街中を騒がせている(すでに街の住人にとっては当たり前となり騒ぐ人もほとんどいないが)、博士の研究施設の方から聞こえた音ではなかった。すぐ近くでしたのだ。
不在の彼の席とこの爆発音。この二つがすぐに結びつくとは限らないのだが、クラスメートたちは口を揃えて彼が何かしでかしたのではなかろうかと根拠に基づかない噂話の花を咲かせ始めた。
かく言う私も、可能性としてそれを考えずにはいられなかった。でも、まあ、何かの間違いであるかもしれない。近所のガソリンスタンドで事故が起きたとか、近くの国道でダンプカーと乗用車が正面衝突したとか、そういう可能性だってある。
その後しばらくは、「どうせアイツじゃね」と大きな音に無関心なミコトと、秋物のアウターの話をしていた。
(続く)
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