(二)-4

 そこへ背後のドアから「おう、準備できたか」と声が聞こえた。私はその声にもびっくりしてしまい、びくっと肩を動かしてしまった。

 その声に気づいたスグルはその人物に向かって「掖上わきがみ先生!」と声を上げた。

 私もその声が向けられた先、つまり、後ろを振り返ると、次の授業の担当である掖上マタジロウ先生がいた。

「先生、量子加速器はまだ納品されていないんですか」

「お前、そんなのがこんな小さな理科準備室に入ると思っていたのか?」


(続く)

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