2人だけの『博覧会』

宝物館の入り口のすぐ傍にある詰所

そしてその周囲には当然、数人の警備員が駐在している

喧騒も収まった放課後

さして真面目そうにも見えない生徒が2人、我ながら不似合いな訪問者だと思う


そして当然の如く僕たちは警備員に呼び止められた


そこで突如、ディアスは芝居がかった大げさな身振りと口調で意味不明な妄言を口走った


「そこなお方!

突然で不躾ではありますが、もしよろしければ、独り精神の修羅場に篭りて宇宙の真理を求道し幾星霜…

狂気の狭間の果てにて、遂に掴みえた私めの愚論!

まことにお耳汚しとは思いますが聞いていただけますでしょうか!

さぁさぁ!皆様も是非!是非!ほら早く!」


そう言ってディアスは詰所の窓をノックし、中の警備員も呼び出した


警備員たちは実に怪訝そうな顔つきをしながらも

ディアスの不気味なまでの迫力に圧倒され、当惑しつつも彼の眼前に集った


「まずはあれをご覧ください―――」

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