第27話残らぬ風景

同じ風景を眺め続けている


酷く退屈だけれど ちっとも瞳に焼き付きやしない


夢と現実の区別さえつかなくなった訳じゃない


確かに飢えているよ 現実の端っこにかじりついている


確かに望んでいるだろう 本物の現実って奴を


それでも動く理由がないんだから


同じ風景を眺め続けているだけなんだ


退屈な心を持て余していると


自分の存在価値さえ疑いたくなるよ


誰かに放つ言葉の一つ一つが助けを求めている


誰かを思う感情の一つ一つが哀れみに満ちている


夢さえ退屈に思えたなら


空虚な日々さえ 誰よりも愛せる そんな気がするよ


退屈であるのなら 求めちゃいけない


ろくなものをつまめやしない 祈りさえも


だから同じ風景を眺め続けているんだ 飽きもせずに

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2003~2004年 hiroki55 @hiro55yasai

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