第5話
「よし、それじゃ釣り開始ー!」
最近では一番経験の長い脈釣り仕掛にて、、
岩盤や石に張り付く小さな水性昆虫を集めて針にとおす。
プールに落ちている小滝の辺りに打ち込み、少し流すと微かに目印が動く。
合わせると竿に伝わる久々の振動。
抜きあげると銀色に輝く魚体がおどった。
「おにいちゃん、すごーい!」
尺に少し届かないくらいだけど、ちょうど食べごろだろう。
イワナっぽいんだけど、額の辺りに第三の目があった。
鑑定が自動的に働き食用可能か否かがわかる。
食べられるんなら、目が一つ多いくらい問題ないね。
その後も入れ食い、食べる分と保存食分に少し多めに乱獲。
量を確保した後は、
「ヘレナも釣ってみる?」
竿を渡して体験教室。
後ろに回ってヘレナの手に手をそえてそっと振り込む。
すぐに当たりがあり、そっと合わせる。
「おにーちゃん!釣れた!釣れたよ!!」
「そのまま、後ろに下がって、手前によせて」
必死になって手前まで寄せたところを網ですくってヘレナに渡した。
今日一番の大物で尺上、目をキラキラさせながら呆然としている。
釣りキチの女神誕生。
◇◇◇◇◇
その後も入れ食い、ヘレナも十匹以上の釣果。
「それじゃ、そろそろ魚焼こっか。ヘレナはもっと釣る?」
「今日は終わりです。
後は次の楽しみです。」
そんなわけで、キャンプ準備。
本日はここをキャンプ地とする。
川から少し上がった高台の開けた草地を見つけてかるく整備、テントを張る場所と火を焚ける場所を作った。
次元収納を探ると少し大きめの4人用ドーム型テントがあったので取り出し、ヘレナも手伝って立てた。
焚き火の道具を探すと、僕が使っていた、自作串立て付きの焚火台も入っていたので設置する。
「ヘレナ、薪を取りに行こう。」
「はいです。
いっぱい集めて天高く積んで、棒にさしたお餅を焼いて、踊りながら周りをまわるのです。」
色々まじっているな。
倒れて乾燥してる木を選んで、細引きで束ねる。
ヘレナを見ると立ち木に挟まっていた10メートル程の倒木を無理やり引き摺りだしていた。
さすが小さくても神様、、ということか?
鉈か斧、鋸が欲しかったので次元収納を探ると、刃渡り2尺くらいの鉈の様な物を見つけた。
シンプルなハンドルに
ためしに枝を削ってみたらまったく抵抗が無く切れた。
ヘレナが引きずり出した大木の幹に刃を入れると、豆腐を切るように輪切ができた。
鑑定、、、≪天の単分子超高周波振動剣鉈≫
気軽に一時置きできないな これ。
「キャンプ♪キャンプ♪キャンプ♪ 焚き火♪」
長さをそろえてカットした枝をある程度まとめると ヘレナが抱えてテント脇まで持っていく。
今晩燃やす分をそろえた時点で終了。
燃えそうな枯草、上に細い枝を組んで自分の荷物にあったライターで火をつける。
火が安定したら枝を順次太くする。
興味深そうに眺めるヘレナと自分の分の椅子を出し、火の傍に鉄製の一本足スタンド?を刺して水を入れたケトルを吊るす。
いきなり川の水を飲むのも怖いので、自分持ちのポリタンクから給水。
魔法があるって言ってたけど、水とかも出せるかね?
「それじゃ、魚さばこうか。」
川岸へ行って
腸を捨てた辺りに魚が寄ってきて、それをついばんでいた。
警戒心まったく無いなここの魚。
「心霊手術です~。」
ヘレナに魚の捌き方を教えたら腸を掴み出して遊んでいた。
ネット動画ででも見たんか?
次元収納に入っていた竹串に6匹を刺して塩をする。
・・・何でも入ってるね、これ。
焚き火台の串置きに刺して、あとは遠火の強火でじっくり焼くだけ。
残りは濃い目の塩水に漬けて、、、一時間くらいでいいか?
寝る前に火の上にぶら下げて燻製にしてしまおう。
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