足がなくても…

夢タコ

第1話 兄の代わりに…

私は兄の代わりのために足を切断された。

兄は元々生まれつき太ももから下がなく義足を使っている。

だからって私の足を切断する必要があるのか。

それで踊れですって?馬鹿げた話しよ。


足を切断されてから色々と気持ちが不安になった。

このまま死んでもいいかなってもいいかなって思ったけど、私には3歳の妹がいる。

妹を産んでから母は息を引き取った。父はものごとをついた時からいなかったから妹が頼れるのは私しかいない。兄はどこにいるのかも分からない。

私が頑張るしかない。


リハビリを終え、兄の代わりで働くアイドル事務所「chase your dreams」(夢を追う)に来て足を切断する話を持ってきた社長に挨拶にいった。

社長からは事前に切断料いわゆる契約料の1000万を貰っている。

社長は”義足で普通はアイドルをやれない可哀想な子”をこころの優しく引き受けて育てれば業界で注目されてお金を稼げると思っているらしい。だから私は社長の商売道具にすぎない。

だからといって、この仕事を引き受けなければ、足を切られただけでお金は没収されてしまう。だからやるしかない。

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