たまにやって来るあいつら
mackey_monkey
寒いな_
寒いな_。
そう思ってみるとやっぱりこいつだ。
何でもないときにふと会いに来て好き勝手やってく。
”止めてくれ”そう言ったところでこいつは帰らない。
追い払おうと思っても、寒くて寒くて布団から出られない。
無視して過ごそうと思っても、こいつが体にまとわりついて動けない。
何かを食べようと思っても、こいつがいると物が口を通らない。
そうでなくても、吐きそうだ。
「もう構わないでくれ」
俺がそう言うと、そいつは言う。
「別にきたくて来ているわけじゃない、君が泣きそうだから来たんだ」
「お前のせいでもっとつらい」
「まあ、とりあえず寝なよ、そして全部忘れちまえ、そしたら消えてやるさ」
「食事中とか、外出中とか来ないでくれないか?」
「君が弱いが悪い」
「_じゃあどうしろっていうんだ」
「寝ろ」
俺は仕方なく布団にくるまってあいつが去るのを待つ。
しばらくすれば温度が戻る。
唇や手の震えは消えて、布団からも出れるようになって、力がちゃんと入って、胸も軽くなって、息がしやすくなる。
食欲も戻って、食べ物が飲み込めるようになる。
あいつは帰っていった。
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