刺繍箱
成瀬哀
途
気づけばまた暗いジャングルで
まだ歩んでる 今何回目?
こうして また何年目?
This way
That way
Which way?
照らし出される看板
皆我先にと歩んで行く
二人、三人、仲間連れて
私はどこへ向かうの?
君はどこへ向かっているの?
分からない でも歩んでる
目指す場所はバラバラで
目的地もきっと違う
行きたい場所も なりたいものも
きっと皆別々
でも最期に行き着くのは同じ場所
渡された砂時計
流れ落ちるのは一方からで
砂は意思を持ったように流れ
逆さにされて 流れを変えて
それでも一方向からしか流れない
どんなに焦っても
止めようとしても
砂は冷笑するように 確実にその時を刻む
限られた時間の中
永遠などは存在しない
定められてない目的地
地図なんてものはない
This way
That way
Which way?
照らし出される看板
皆我先にと歩んで行く
ジャングルの中 築かれた道を
二人、三人、仲間連れて
私はどこへ向かうの?
君はどこへ向かっているの?
分からない でも歩んでる
目指す場所はバラバラで
目的地もきっと違う
行きたい場所も なりたいものも
きっと皆別々
なのにどうして君らはその道を行くの?
なぜ君らは誰かが歩んだ後の
出来上がった道を行くの?
分からない。 けれど君は歩み続ける
その方が楽だから? ピースサインを送る君
そうかもね。でもお断り。
どうしてさ。 手を伸ばす君
きっと楽しいよ。 微笑む君
そうかもね。でも何か違うの。
君は不思議そうな顔をして
じゃあ、先行くね。
それじゃ、またね。
君は煉瓦の道を歩み始めて
私は独り 茨を進む
どうしてさ。 反響する君の声
楽しみたいじゃない。 どうせなら。
私自身を待つ
本当のゴールを見たいじゃない。
きっと本当の 自分にしかないゴールは
築かれた道でなく
木々に包まれ 行く先の見えない
ジャングルを歩んでしか見えないから
時には雨に降られて
時には獣に襲われて
淋しくなる日も
辛い日も
どんな日だってあるだろうし
泣きたいくらいの気分もあるだろうね
けれどレールに乗った道よりも
自分で切り拓いた途の方が
後から見える眺めも変わるから
その日の景色を最高のものにしたいから
私は行くの。 ジャングルの途を。
行き着くべき目的地が見えたなら
自分を持って進んで行けばいい
行く手を遮る障害は
その手で払い除ければいいでしょ?
人生という名の戦場で
栄光という名の勝利を掴め
目的地を目指す途中で
きっと誰かに出逢うはず
きっと何かに出逢うはず
そこで苦楽を分かち合った友と
これからの約束を奏でて
自分の声に従って生きてゆくのさ
いつか君と会った時に
最期に君に会った日に
どうだった? って君は訊くでしょ?
その時に一点の偽りもなく、
私は君に伝えたいの
あの日の君に負けないくらい
いや、それ以上の
最高のピースサインをして
少しの曇りもない 晴れた顔で
最高だったよ。って
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