Jellyfish
@tatumito
プロローグ
「くらげになりたい」
となりにいる女の子はそう言った。
小学6年生で初めて行けた交流遠足。たしか海の近い水族館に行った。そこで1人の女の子と出会った。名前は覚えてない。俺は今でもその子が言ったことがいまでも頭のなかに残っている。
あれ以来その子とはよく海で話していた。
だけどその女の子とは俺が高校に上がると同時に離れてしまった。いや、正しくは離れたが正解だろう。
今、あの子が生きているか死んでいるか、はたまたくらげになっているかなってないかなにもわからない。
いま目の前に浮いて見えているくらげは彼女なのかもしれない、
*
大嫌いなクラス替えも4回目を迎えたときいつもいじめられている子がいた。
その子は周りの子よりもひょろひょろで小さくて服もたしか2パターンぐらいしかなくて、そして人見知りであまり話さなくてたぶんみんなそんな姿を見ていいおもちゃがあると思ったのだろう。
なんだか許せなかった俺にとってその子とが起こっている事実はものすごくムカついた。だけど頑張って相談しても周りはなにもしてくれなくて当の本人は
「俺、要らない子だから。」そう悲しそうにいってた。
そしてたまにその子の家から怒鳴り声と泣き声が聞こえてきていた。そのつぎの日は決まって彼は体にアザをつけていた。
彼のそんな現状をだんだんと知って俺が耐えられなくなり中学卒業のとき高校からは一緒にふたりで住みたいと親に頼み込んで2人で住んでいる。
そんな彼はとても儚い。
気付いたら俺の前からくらげのように消えてしまいそうそんな人だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます