第5話時間


窓際に咲いた         


その寡黙な花を君は知らない


ただ・・・


「私に似ている・・・」


そんな言葉を恥じらう事なく


生真面目な面持ちで


唇を微かに振るわせ


呟いた・・・


時を忘れ花を見続ける君


彼女の休日なき仕事


悠久たる日々・・・


終焉への回廊をあてどもなく


さまよい


様々な気持ちをノックしていた


彼女の想いにそう言葉は


どの部屋からも聞こえてこなかった・・・


階段が見えてしまった時


何かが弾けた・・・


静かに終わりを告げる


始まりのない時計が鳴り響く


最上階にたどり着いた彼女は


疲れ果てながらも笑顔を浮かべていた


笑顔に映った思いは


涙とひたむきさ・・・


彼女の時間は今動きだした・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る