第4話 魔法の練習?

 「う、うん・・・」




 気がつけば外はすっかり暗くなっていた。あの後、司祭様に体調を診てもらい、用意された果物を食べたら睡魔が襲ってきたんだった。




 あの司祭様に診てというか見てもらってる間中ずっと、鳥肌が立ちそうなほどの嫌悪感があったけど、特に変なことをされたわけじゃないんだよね。何でだろう・・・謎だわ。




 閑話休題それはともかく




 司祭様にも『もう大丈夫』とのお墨付きはもらえたけど、お母様からは念のために明日までは安静にしてるように言われてるんだよね。




 そんなわけで、現在この部屋の中にはわたししかいないみたい。普通の子供なら寂しさを覚えるところだけど、今のわたしにとってはむしろ好都合なのだ。でもたぶん、部屋の外にはメイドか護衛が居そうだから、音にだけは気を付けないとね。




 なにしろ、目覚めたきおくがもどった瞬間から試してみたくて、ウズウズしていたモノがあるのだ。だって魔法だよMA・HO・U。




 前世では物語の中でしかあり得ない、絶対に手に入らないものが目の前にあるのだ。これに興奮しないで、何に興奮しろというのだ。




 とはいえ、どんなことを試そうかしら?そもそもまだ使い方は習ってないんだよね。でも、女神様はイメージが大事みたいなこと言ってたし、まあなんとかなるんじゃないかな。




 ただ、部屋の中だし、火は止めた方がいいわね。水も後始末が大変そう。風は・・・これも大変なことになりそう。地つちも同様。治療は回復したばかりだから元気っと。




 被害やらかしに対しての説明いいわけの問題がクリアできれば、良いんだろうけど・・・うん、二次被害おせっきょうが大変なことになりそうだ。




 となるとやっぱりシンプルな魔法の方が、言い逃れしやすいけど・・・指先を少し光らせるのはどうだろう?




 「うん。ただ光らせるだけだから平気だよね」




 えっと、豆電球を光らせるイメージで・・・っと、えいっ。




 結論から言うと光らせることには成功した。でも、少しやり過ぎてしまったみたい。




 「め、目が目がー」




 あまりの眩しさに両手で目を覆って、ベッドの上を転がり回るわたしがいた。そんななかでも、声量は抑えてた自分を褒めてあげたい。




 例えるなら、ストロボを目の前で光らせられたみたいな感じだったよ。イメージしたのは豆電球だったのに、なんで失敗したんだろう。




 いや、失敗では無く魔力ちからを入れすぎた?普通の豆電球なら大きな電力を一気に流すと切れてしまうけど、今光らせるのはそんな制限の無いものだものね。




 でも、この仮説が正しいとすると、魔力ちからの加減を把握するまで大変そうだなあ。




 そもそも魔力がどういうものなのか、よく分かってないんだよね。




 「はあ・・・まずは、そこからかあ・・・」




 先は長そうだなあ。女神様にお願いしたら、どうにかしてくれないかしら?

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