第3話 星降る街

 今日は夏のクリスマスだ。

 クリスマスは夏と冬の二回。


 姉は目を擦りながら、ベッドから起き出し、生前のいつもの習慣だった化粧のために、廊下の洗面台へと歩いて行った。


 私は目を擦りながら姉を追いかけた。


 洗面所へ歩く二人の足音で、向かいの部屋の両親も飛び起き、ドア越しからこちらを覗いて驚いていた。


 原因は昨日の青年だ。

 あの青年はきっと星をみんなよりも多く拾えたのだ。

 そして、これがクリスマスプレゼントなのだろう。


 神から授かったクリスマスプレゼントは、姉の命だった。


 私は神と仲良くなれる気がした。あの青年によって……。

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