三人の天才が神々の悪戯に挑むようです。

友碕

第1話


それは数多なる世界を想像し、多くの人々を導いてきた。

ただ、その一方で暇を持て余した神々は自分の造った世界であるゲームを始める。

無作為に選ばれた世界に魔王と勇者を召喚し、戦わせるというものだ。

神は自分の陣営を選択し、勝てば神界での地位が上がるのである。

神界からから見物し、ある神はどちらが勝つか賭けを行うものもいる。

神だからこそできる悪戯である。


そしてまた1人の神が、このゲームに参戦するのであった。


「おっとこれはこれは、単なる偶然かそれとも...

 しかしこれは暁光だ。この3人に託すしかない。」


とある神が1人呟く。



「こ、ここは...うっ頭が痛む」

目の前に広がるのは、薄暗く何もない空間に二人の人間


「Where is here!? who are you!? 」

「我不知道...你是谁? 」


なにやら二人して喚いている、どうやら外国人のようだ。

アメリカ人の軍人? と中国人? の袍(ぱお)を着た女性?なのか


「oh… did you wake up」

「你知道什么吗? 」

「えっ…うーん…」


何を言っているのか全く分からない。

その時、上方から眩い光と共に水色の髪の男が下りてきた。


「やあやあ君たち、やっと起きたね。」

「What!?」

「什么?」

「あー、そうか君たち言語が違うんよね、ほれ。」

「あ?」

「何言ってんの?」

「どう?言葉通じるようになったでしょ」

「本当だ...」

「てか、お前誰?」

「ああ、僕? 僕はニア。これでも一応神だよ! 」

「神?」


何を言っているんだこいつは。

いきなり出てきてその上自分が神だと?


「そう神! 神様です僕!」


金髪の男性は自信ありげにどや顔をしている。


「そうか...じゃあ神様さんよぉ、早く俺たちをここから出してくれ。」

「そうだよ、僕もう帰りたいんだけど~。」

「俺もだ。」

「ってか僕?嬢ちゃん女の子じゃないのかよ?」

「よく間違えられるけど、僕は男だよ。」


どうやら、中国人の方は男だったようだ。

男と言われても女性にしか見えないけど......


「んで、神様さんどうなの?俺たちを出してくれるの?」


軍人の男がニアに詰め寄る。

するとニアはこう答えた。


「ニアでいいよ。そしてここから出す、それは無理だよ。だって君たち三人共”死んだ”んだから」

「!?」

「は?」

「…えっ?」


死んだ?俺が?なんで?何も思い出せない…

斜め上のニアの回答に俺と同様にほかの二人も困惑しているようだ。

そして困惑している俺達をよそにニアはこう続けた。


「まずそこの黒髪君ね、羽須美大和(はすみ やまと)20歳。君らの最強と言われている羽須美極致流剣術の43代目当主。あらゆる剣術に長けた剣の天才。死因:交通事故」

「えっ…」


交通事故?

まったく覚えてないぞ…

一体どういうことだ…

そして俺の素性を知っている。このニアという男は本当に神なのだろう


「えー次、そこの銀髪の君ね、李 白露(り はくろ)18歳。あらゆる拳法マスターし、中国史上歴代最高と言われた拳法家。武の天才。死因:崖からの転落死」

「...崖から落ちた?僕が...? 」


「そして最後に、そこの金髪のマッチョ君ね、エドワード・リックス26歳。各国の軍隊から要請され様々な戦場で戦果をあげた伝説の傭兵。戦場の天才。死因:銃撃による出血死」

「おいおい...シャレになんねーぞ」

「これでわかったでしょ。僕が神であることも、君たちが死んだってことも。」

ニアの言葉を聞き愕然とする二人

そりゃそうだ、俺自身もびっくりしている。

武の天才に、戦場の天才?そんなやつらがなんで...

そんな俺たちに向かってニアが言った。


「まあまあ、そんな落ち込まないでよ〜。普通なら天に召されるところを僕が召喚したんだからさ〜。感謝してほしいよまったく~。」

「召喚…? 」

「そう召喚、君たちには今からある選択をしてもらいまーす!そのまま死を受け入れるか、神が用意した悪戯ゲームに参加するか、ね?」


ニヤリとニアが笑う。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る