神様、お願いだ
あっちゃんとのなれそめ
第1話 神様お願いだ~♬
元子は言った。
「あんた神様お参りせえへんね?」
謙太「うん、そうやねん」
「なんでよ?」
「何か神様が信じられへんねん」
「それがわからへん。理由は?」
「いやあ、俺、新興宗教入ってたやろ。それで献金とかさせられたし、色々不愉快な事が多かってん」
すると元子はこっちを向き直って
「なんで?その宗教ってえびすさんとか、広田神社と違うやん。
あんた、神社でも挨拶せえへんやん」
「そや」
「神様に対し奉る冒涜やで」
謙太は向き直った「そうかあ?」
「だって私ら子供の頃から神社仏閣には頭を下げて二拍手するのが当り前よ。
あんたは当り前の事が当たり前にできひん人やな!」
「うーん、いやあ、っワーグナーに『神々の黄昏』ってあるやん。あれってその通りや。
結局愛によって救済されるものだと思う」
「まあ、、そんなんよう知らんけどな、神様を蔑ろにしてたら、大魔神にやられるで(笑)」
謙太は少し考えこんだ。
「でもな、神様のない世界っておかしいなと思う事もあるよ」
「ほならもう一度考え直したらええやん。献金とか強要するのはその宗教がおかしいねんで。それが全ての神様を否定する理由にはならんよ」
「そうよなあ、」
「新興宗教が『我こそは本物の神様だ!」と言ってるだけよ。
それに騙されてるのが一部の人間。あんたもそうやったんや」
「なるほどねええ。『騙された私が、アホやねん』
すると、近所の友達岡村とばったり会った。
「君ら、何処に行くのか?」
「別にありません。新興宗教について考えてただけですわ」
「なるほどなあ。新興宗教も難しいからな」
「岡村さん、謙太君って新興宗教に20万も献金したんですよ!!」
岡村は驚いた!
「えええ???それは酷い。返してもらえや」
謙「いえええ、もう無理ですよ。却ってきませんよ。領収書も残ってないし」
「はーーあ。ひでえな。お前のおふくろさんとかとめなかったの?」
「はい、一度も」
元子らは聴いてて段々気分が沈んできた。
岡村「よっし、神呪寺でも行こうか?綺麗な景色を見てたら、気分がすっきりするよ。
3人はタクシーで神呪寺に向かった。
階段は多いが、ゆっくり上がればしんどくない。
景色がよく見える。
岡「見ろよ。いい景色だろ。こういうとこに参拝してれば気分が穏やかになる。
お前らは鶴橋だろ。空気悪いじゃん。焼き肉の炭の臭いが臭いし。
あんなとこにいて、悟りが開けるかよ?!」
元「いや、別に悟りなんか開けなくてもいいの。気分が穏やかになればそれでいい。。
ねえ、ここでしばらく休んでいればいいわよ。」
岡村は立ち上がって欠伸した。
「あーあー、自分らアツアツやな。俺帰るわ」
謙太「ええ、もう帰るんですか。バスこんでますよ。」
「歩いて帰るんだよ。この辺の山々を歩くのは快適だからね」
「一人で淋しくないですか?」
「いいや、山には山の神様がいるんだよ。
金剛山や生駒って色々な山の峰があるが、
ここは女の神様、ここは男の神様ってある。」
元子「それは初耳ですね。どんな感じですか?」
「女の神様が祀られてる山に女の人が登ると、嫉妬するんだ。
逆に男の神様が祀られている山は男の人が登ると嫉妬するんだよ」
二人は頷いた。
「ほら、土俵に女の看護師さんが咄嗟に上がって心臓マッサージして『女の人は降りて下さい』てアナウンスして問題になったろ?
あれも相撲の土俵には女の神様が祀られてて、女の人が登ると嫉妬するんだ。」
元子「え?本当ですか?何か女性差別みたいに見えるけど」
「だからある意味、万物に男女の神様が祀られているんだよ。植村かなの『トイレの神様』もそうだ。」
謙太「そうだ、僕と岡村さん、植村かなの初ライブ行ったんだよ。」
元「え、すごい?感動的ですね!」
「あの土俵の件は、看護師(看護婦さんじゃ駄目なのか?)さんが咄嗟に心臓マッサージをしたのは医学上正しかったんだ→
でも相撲の土俵は女性の神様が祀られている、だから『女の人は降りて下さい』と言ったのも正しかった。誰も間違ってないんだよ。」
謙「そやのに、『私は悔しいです』って言った宝塚のおばはん、アッホやな!」
するとすかさず元子が向き直って
「あんたな、、そんな汚い口きいてるから神様から見放されるねん!反省し!」
「こらまあ、失礼しました!」
神様、お願いだ あっちゃんとのなれそめ @yomin316
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