『またまた新製品』フォア 『才能体重計』
営業部長
『みなさま。本日は、まことに、ありがとうございます。いつも社長より偉い私から、新製品のご案内をいたします。』(変わった製品で名高い会社で、これが、この部長さんの常套句でした。社長さんは、まったく、人前に出たことがありませんが、製品はすべて、社長さんが開発しています。)
同業他社部長さん
『よ、大統領!』
営業部長
『ありがとうございます。今日の新製品は、これ。才能体重計。はい。』
白い風呂敷をばっと剥がす。
営業部長
『見たとおりの、体重計です。しかし、結果は、この、端末に表示されます。まず、みなさんが計りたい分野を選択します。基本的選択肢は、すべてで、1000通りあり、あと、独自設定が可能です。その辺りの使い方は、みなさん次第。あとは、計りたいひとを乗せるだけ。もちろん、通常の体重や、体脂肪から、血圧、心拍数、生活習慣病指数、BMI、そうしたことは、当然として、あたまの中の才能指数も計測できます。知能指数とは違いまして、各分野の潜在的才能を計ります。我々の検証では、91%の正確性が認められました。ただし、正確な事前設定が必要なのは、当然であります。』
同業他社部長さん
『価格はどのくらい?』
営業部長
『予定販売希望価格は、15万ドリムです。』
同業他社部長さん
『む、安いな。』
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この新製品は、ほとんど売れませんでした。
経営者の才能を計測されることを、みな、恐れたのです。
しかし、ある国で、国政の立候補者の事前適正検査用に採用されたのでした。
でも、すぐに、なぜだか、輸出禁止になりました。
同業他社は、似たような機械を開発していましたが、成り行きを見て、止めたそうな。
個人情報を計測されるのは、みな、嫌なのです。
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