第11話 コンセントとプラグ

 私は映画を見ること、読書をすること、音楽を聴くこと、漫画を集めたりすることが好きで、これらをすることが趣味であると思っていたのだが、実際は違っていた。


 私が好きなのは、心に衝撃を与えてくれるものが好きなのだ。ただ、私の心に衝撃を与えてくれるものが映画や本、音楽、漫画に多くあったというだけで、これらのジャンルが好きなわけではなかった。自然の景色であったり、出会いや別れ、考え方など、本当はなんでもよかったのだ。


 しかし、先ほどのジャンルの中から私に衝撃を与えてくれる作品を探し出す作業は結構好きである。もしかしたら、一般的にそれを趣味というのかもしれないが、私の中の感覚では趣味とは少し違うような気がする。


 何度も衝撃と綴ったが、ここでは単に心を震わせるという意味ではなく、言葉で説明するのは難しいが、コンセントとプラグががっちりはまるような、パズルのピースがぴったりはまるような、その場所にしか当てはまることができないものが合わさったというようなことが言いたい。


 心を震わせる作品もたくさんあるのだが、そんな物は一週間もしないうちに飽きてすぐに忘れてしまう。


 私に衝撃を与えるものは私の深層がそれを求めていて出会うことが必然であったかのような、元々一つの物だったが一度ばらけて再び合わさったというようなそんな感覚のものだ。そして、ずっと私の中に残り続けていて、私という人間を形成する一部となってしまっている。

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