『その世界は本当に戦いを求めるのか?』
アーカーシャチャンネル
前半パート
もうすぐ、クリスマスという時期になろうとしている。
つぶやきサイトのトレンドを見ると、まもなくクリスマスも近いし、大晦日だって迫っているだろう。
その中で電撃の如く流れた、そのワードは衝撃を持って迎えられていた。
『その世界は本当に戦いを求めるのか?』
このワードが突如としてトレンド入りした時には衝撃を受けたかもしれないが、一部には歓迎されたという。
【あの作品が本当に続編を出すのか?】
【まさかのタイミングすぎる】
【今年も発表がないと思っていた】
【本当に出るのかも疑わしい】
【これを我々は待っていたのだ】
様々な声が流れている一方で、このニュースは真実なのか疑う声もあった。
それもそのはずだろう。このワード自体、実は公式で使っているようなキャッチコピーではないからである。
実際、この話題でさえフェイクニュースや炎上目的のデマと考える人物もおり、そうした人物による動画配信も行われていた。
果たして、本当にあの作品はリリースが決まったのだろうか?
「このトレンドは一体?」
コンビニの前でスマホ片手にタイムラインを見ていたのは、身長170位の地味な私服を着た男性だった。彼も、このトレンドには驚くしかない。
一連のトレンドが広まるのは、むしろ歓迎すべき箇所はある。ネガティブな話題ばかりが拡散し、それが炎上する光景を何度も目撃していたのもあるだろう。
ネガティブのニュースが拡散しやすいとは言われているが、そのような状況は誰も望んではいない。彼は、そう思っていた。
「それにしても、このトレンドの元凶はどこだ?」
トレンドの発信者がまとめサイトなどだったら、それこそネガティブトレンドを拡散させるための布石と考えている。
彼は、いわゆる配信者なのだ。こうしたトレンドに敏感になる事自体、悪い事ではない。
「さすがにここで調べるにはアレか」
コンビニから自宅までは数分の距離なので、ここは一時的にも自宅へ戻った方が正解だと判断する。
自転車などを使わなくても、走って数分という位置にコンビニがあるのは便利になったというべきなのか……心境は複雑だった。
自宅へ戻った彼は、今回のニュースをノートパソコンで検索していくのだが、ここでも思わぬ壁にぶち当たってしまう。
「こっちもか……」
彼が発見した物、それはいわゆる『まとめサイト』などによるフェイクニュースだったのである。
このニュースが本当だとしたら、それこそ一大ニュースのはずなのに……一部の勢力は資金源がなくなってしまうのを懸念し、フェイクであると拡散していた。
何故、このような事が繰り返されるのか? ネットミーム自体、様々な場面でも見るようになったが……何をどうしたら、こういう行動をとるようになるのか?
調べれば、色々と出てくるのかもしれないが、専門用語や解説などをしたとしても一連のフェイクニュースがなくなるかというと、そうではないだろう。
そこで彼が取った行動、それは『フェイクニュースを鵜呑みにしない』ことを伝える事だった。
「難しいことを語ったとしても、それでは逆にネガティブ思考を広めてしまう。ここは……」
そして、配信するための一式を準備し、配信を行う事にした。丁度、ノートパソコンを見ると午後3時を示している。
夕方時や夜に配信するのも手なのかもしれないが、今日は平日という状況もあってか、情報をいち早く伝える方が良いとの判断をした。
彼の場合、配信と言ってもリアルで顔出しを行う配信者ではない。その為のガジェット一式を用意するのには時間がかかる。
この辺りがアバターを使用したバーチャル配信者と顔出しを行うリアル配信者の違いかもしれない。
下手をすれば、炎上系リアル配信者が今回のニュースでネガティブイメージを植え付けて炎上させる可能性もあるだろう。
それを踏まえると、彼にとって時間がないのは火を見るよりも明らかだ。
慌ててしまえば全てが水の泡になる事も、フライング記事のニュースなどで炎上した配信者などのケースがあるため、早く配信を行うのは重要だが、それを行うタイミングも重要である。
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