第23話 阿修羅ちゃん、食堂


 入学から、数日阿修羅は勉強は順調ではないが、学校生活にも慣れてきた。


 昼食は、大きな食堂があり、中、高校共同のスペースで行われる。

 教室で弁当を食べる生徒もいるが、食事時間には、多くの生徒が集まっている。


 阿修羅も学友と共に食堂にいた。

 その阿修羅を強い視線で見つめていたのは、東郷であった。


 数日の間に、体力測定があったが、東郷自身は平均を超える結果、しかし、阿修羅の測定は平均的な結果に東郷の不満が募っていた。


 (なぜに、修羅というだけで、強いとか言われているのだ、俺は全国一になったんだぞ。)


 結局は自分が注目されたいというのが、若いかれの主張だ。


 「今にも暴れだしそうだな」

 

 後ろから声をかけたのは、柔道部の主将の吉原だ。

 「主将」


 「暴れ馬の東郷が、黙ったままなのか?」


 吉原は、東郷を、煽るその先には、阿修羅がいる。



 阿修羅は。友人と会話を楽しみながら、トレーを持ち談笑している。


 「今なら、手もふさがっているし、大勢が見てる、一気に人気者になれるぞ。」


 東郷は、どっちみち、やるつもりだった、先輩に背中を押されゆっくり、阿修羅へ歩み初める。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る