IF新年特別編 新年と先輩後輩
「あれ?先輩?」
「おん?………げっ」
「げってなんスか、げって!!」
「あけましておめでとう」
「あっはい、あけましておめでとうッス…いや誤魔化されないッスよ!?」
「着物で来たんだな、似合ってる、可愛いよ」
「え…はぇ…!?ありがと…ござ…ッス」
「今年も俺の後輩としてよろしくな」
「っ!!はいっ!!よろしくお願いしまッス!!にへへ…俺の後輩だって…」
「じゃあ、またな」
「はいっス!!」
「………………」
「いやいやいやいや!!待って欲しいッス先輩!!」
「ちょっ、なんですか今の!!なんで置いてくんスか!?」
「え、いや、だって、なぁ?」
「一緒に参拝しましょうよ先輩!!」
「…はぁ、まぁいいだろ」
「やった!!こんな可愛い後輩と正月過ごせるなんてとってもラッキーッスね!!」
「うるせぇから嫌だったんだよなぁ…」
「なんでなんスか!!!!」
「うるせぇ!!周りのこと考えろ!!」
「先輩もッスよね!?」
「先輩は何お願いしたんスか?」
「金」
「俗物ッスね」
「お前は?」
「金ッスね」
「俗物だなぁ」
「お守り買います?」
「おー?買うか?」
「ボクは欲しいッス」
「ん、じゃあ行くか〜」
「先輩も買うんスか?」
「俺はあるからいいや。お前は?」
「健康祈願と厄除けッスかね」
「なんかあった?」
「何かありそうかなって」
「なんかあったら何とかしてやるって」
「…そういうとこッスよ、先輩」
「何が?」
「ふんっ」
「なんなんだ…お、あそこか〜行くぞー」
「…よしっ」
「買えたか?」
「はいッス!!」
「にしても…」
「なんスか?ニヤニヤして」
「恋愛成就、ねぇ」
「はぁ!?見てたんスか!?」
「いや、見てないぞ」
「じゃあなんでニヤニヤして…どこ見てんスか先輩」
「上」
「何変なトコ見て…え?」
「わかったか?」
「…めっちゃ目立つように恋愛成就って書かれてるッスね」
「そういうこと、こんなのに気づかないくらい必死なんだな?」
「…誰のせいだと」
「お、あそこで甘酒とおしるこ配ってんじゃん。行こうぜ」
「…あっ、先輩!!人多いんスからゆっくりお願いするッス!!」
「あ、すまんな、じゃあこうするか」
「へぇあ!?」
「今だけ手ぇ離さないようにな」
「はいぃ…」
「アイデンティティが……消えた…だと?」
「おしるこ美味しいッス」
「甘酒ウマー」
「先輩そっちも飲みたいッス」
「お、おう。大丈夫か?」
「おしるこあげるッスから」
「わかったから、あいよ」
「ズズッ…あー独特の甘みがまた美味しいッスねぇ」
「んーおしるこのが好きだな」
「いや返して欲しいッス」
「わかってるよ、ほら」
「ありがとうございまス。」
「そういや、おしることぜんざいの違いってなんだ?」
「なんスかね…豆があるかないかとかッスかね?」
「割とありそうだな」
「汁があるかないかとか」
「ありそうありそう、地元だとぜんざいしか見た事ないけど」
「おしるこないんスか?」
「わからんけど見た事ない、ぜんざいも暖かい奴じゃないし」
「え、じゃあ何なんスか」
「かき氷に餡と白玉乗っけたみたいな感じ」
「赤福氷みたいな」
「絶対あっちのが美味いと思うけどそう」
「地方差ッスねぇ」
「何事も甘くないって事なんじゃねぇかなー」
「状況に対してあんまり上手くないッスけど正月なんで見逃してあげるッス」
「判断甘めじゃん」
「お、それは少し美味いッスね!!」
「一通り終わったッスね先輩」
「そうだな、はよ帰って寝たいよ」
「風情が無いッスね〜、なんかやることないんスか?」
「ないな、ダルいし誘いも全部断ったし」
「え、勿体ないじゃないッスか!!行けばよかったのに」
「面倒、ダルい、寝たい」
「まったくこの先輩は…」
「まぁお前との用事なら断らないんだけどな」
「はい?………はぁ!?」
「じゃ、今年もよろしく〜。後輩?」
「え、あ、よろしくお願いしま、ス?」
「じゃあ俺帰るから、今度は誘えよ〜」
「…あっ!!ちょっ待って!!ねぇ!!せんぱ〜い!!」
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IFルートというか強めの幻覚
ほんへの方も楽しみしてもらって...
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