だべしゃり 〜とある先輩と後輩〜

夜雀。

帰り道の先輩後輩

「あ、先輩!」

「おーうお疲れ、なにしとんの?」

「勿論、先輩を待ってたンスよ」

「約束してたっけか?」

「いや全然」

「じゃあなんで待ってんだよ…」

「いいから一緒に帰るッスよ〜!!」

「はいはい」


「ところで先輩?」

「おん?」

「今日遅かったッスけど何やってたんスか?」

「勉強教えてたんだよ」

「え…その顔で?」

「誰がヤクザも逃げ出す悪人面だって?」

「そんなこと言ってないっスよ!!」

「ったく…俺が学年1位なんだから教えるくらい普通だろうが」

「本当なんでそんな不良みたいなナリしてめちゃくちゃ頭いいんスか…」

「やかましいわ、お前の勉強も俺が見てやってるだろうが」

「ほ〜んと人は見かけによらないというか…」

「もう教えてやらんからな」

「やっ、ジョークじゃないッスかジョーク!!そんなんだからモテないんスよ先輩?」

「さようなら」

「ちょっ、待ってくださいよ〜!!せんぱ〜い!!」


「はぁ…はぁ…せんっ…ぱ…はぁ…」

「くはっ、だ、大丈夫か…くふっ」

「笑ってんじゃないっスよぉ!!」

「わりぃわりぃ、ほい水飲みな」

「…いただくっス、んくっ…んくっ…」

「…関節キスだな?」

「んばああぁっ!?」

「くはははははははははははっ!!」

「なんでそんなこと言うんスか!!ああもう最悪ッスよぉ…」

「んばぁって…んばぁって…くくっ」

「笑ってんじゃないっスよぉ!!」

「意識しすぎなんじゃないか〜後輩ちゃんよぉ?」

「うっさいッス!!うぅ…こういう役割って普通、可愛い後輩のボクの役割なんじゃないッスか…?」

「どこの後輩が可愛いって?」

「ボクですっ!!ボ〜ク〜!!」

「そうだな、お前は可愛い後輩だな」

「〜っ!!」


「セクハラ先輩めぇ…」

「言いがかりだろうが」

「絶対一泡吹かせてやりまスからね!!」

「返り討ちにして泡食わせてやるよ」

「またセクハラするんスか!?」

「言いがかりがすぎる」

「首洗って待ってろ!!ってやつッス」

「お前のやった事を水に流してやってるのに」

「さっきから返し方が腹立つんスけど!?」

「泡だったり水だったり、ウィットに富んでるだろ」

「どっちかって言うとウェットッスよ」

「上手い、ジュース1本奢ってやるよ」

「やったぁ〜」

「チョロい」

「聞こえてまスからね!?」


「せんぱぁ〜い」

「おん?」

「もうボクの家着きますねぇ〜」

「そうだな」

「せんぱぁいとぉ〜離れるのぉ〜寂しいなぁ〜」

「その喋り方キモイ」

「えぇ〜?先輩ったらひぃ〜どぉ〜いぃ〜」

「うわっ、気持ち悪っ。見ろよこの鳥肌」

「ガチで引くのやめてもらえないッスか!?」

「そうそう、いつもの喋り方が好きだわ」

「…このスケコマシ」

「お?どうしたッスか〜??」

「真似してんじゃないッスよぉ!!」

「くくっ、ほら家着くぞ」

「むむっ、もうッスか。なら仕方ないッスねぇ、それじゃ先輩、家までどうもッス」

「おう、また学校でな」

「はい、また学校で」

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