第38話

ショッピングセンターでしばらく時間を潰すことにした。

急いで出てきたせいで、服はトレーナーにショートパンツだったが、気にする人はいないだろう。

心労というか、クレイジーな人だとは思っていたが、ここまで頭がやられているとはという感じではあった。

退屈をしのぐために本屋さんで本を購入して、お腹が空くとイライラする、手持ちは少なかったがファストフードのセットくらいは食べれるだろうと安いセットを頼んで本を読んで時間を潰した。

中学生の私はパソコンは持っていたがスマートフォンは持っていなかったから父に部屋が破壊されたと伝えるすべはなかったし、秋に入る今の時期にドアを破壊されるということは虫が部屋に入ってくるだろう、プレハブでは基本的に窓を開けない生活をしていたから虫にかかわることは少なかったのに、うんざりだ。

他人が要因で私の生活に支障が出るのは本当に嫌で嫌でしょうがないのだ、私は放っておいてほしかった、当時はできるだけ人と関わりたくなかったし、関わらないように努めていたつもりだった。

お腹が膨れて満足だった、考え事をするときは少しでもお腹に食べ物を入れたほうがいいと気づいたのはこの頃だった。

ファストフード店でセットだけ頼んでずっと本を読んでいるのは迷惑なのかと考えたが、迷惑よりも自分の身の安全を確保する方が優先だと考えて知らないふり、鈍感な中学生でいた。


2時間くらいファストフード店で時間を潰したあとは本と財布を片手にショッピングモールを散策することにした。

服屋さんではかわいい服、きれいな服がたくさん置いてあり、コスメショップではキラキラしたリップ、アイシャドウ、チークが置いてありわくわくした。

当時の私は髪の毛は染めていたが服には頓着がなかったし、化粧はしたことがなかったから、その時に少しだけ興味をもった。

元々はかわいい物が好きだったのだ、機会がなかっただけで、きっと私も普通の女の子の1人なんだと自覚して、恥ずかしくなった。


ショッピングモールの閉店の時間までふらふらして、閉店間際にお総菜コーナーで安売りの槧が張られたお弁当を購入して、ふらふらと河原まで歩く。

祖母にも父にも基本的には期待をしていない、期待をしなければ傷つくことなんてないのだとわかっている中で、少し、父が助けてくれることにいつも期待している自分がいることに嫌気がする、割り切れないことで自分の首を絞めている。

河原でお弁当を食べて、とりあえず家に帰って様子を見ることにした。

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