メイドホムンクルス(3)
メイドホムンクルスの注意を引きつけるカオル。その手には、蓋の開いた茶色いポーションが握られていた。
色的にはココアに似ているが……何のポーションだ?
「おやおやおや。ご主人様、それをどうする気ですか?」
「当然――こうだ!」
ぐいっ、と茶色いポーションを呷るカオル。自分で飲んだ以上、まさか毒というわけではあるまいが……
「ッ、ぐ、はぁぁあああ!!」
カオルの身体から魔力が吹き出す。
「お、おい。何を飲んだんだカオル!?」
「『混沌神の欠片』――このメイドの隠し持ってた切り札。強烈なバフポーションだ。理を歪め、少しの間、魔力量が実質無限になる……!」
「まったく、無茶しますねぇご主人様。それは常人が飲んだら死ぬような劇物ですのに……まぁ錬金術の申し子たるご主人様であれば、一本くらいは平気ですが」
「俺はまだ死にたくねぇんだ、そのためには多少の無茶くらいなんてことないね!」
そう言ってカオルは魔力を練る。目が赤く光った。
「はぁあああああ……超錬金! ダミーコア&ゴーレム生成!!」
ぎゅん! とカオルとその周囲の魔力が一点に集まり、赤く輝く結晶になる。そして、それを中心にして部屋の壁がバキィとめくれるように集まり、白いゴーレム――いや、ゴーレム娘が生成された。小学生くらいのサイズで、おかっぱ髪風の頭部パーツに、目元は黒く、目が電光表示で「00」と2つ横に並んでいるような。可愛らしい系メカ娘だ。
なぜ少女風の外見なのか――多分趣味だろう。あと室内という狭い場所では乗り込むようなゴーレムは取り回しが悪いとか、そんな感じ。
背中のランドセル型バックパックは……きっとちゃんと機能があるんだよな? 趣味の飾りじゃないよな? 可愛いから趣味でも許すが。
「おいカオル、それであのメイドに勝てるのか?」
「こいつは俺が魔力を注ぐかぎり不滅だ! 負けなきゃ勝てる!」
「でも、その魔力無限なのって一時的にだろ?」
「……」
おい。まさか持久戦について何も考えてなかったとか言わないよな? バカかな?
「い、一時的だろうとこのゴーレムの強さは本物だ! 俺以上の魔力を示さねばコイツを書き換えることもできない! いけっ! ゴーレム!!」
ゴーレム娘は目をギュィンと赤く光らせ、メイドホムンクルスに突撃する。
「ぐ、確かに厄介ですね……ですが、神器――」
『ピピッ――『神器封じ』発動』
ゴーレム娘の背中のランドセルが開き、バフンッと金属粉がまき散らされる。まるでチャフ――と思った瞬間に、私もぐらっと視界が揺れた。
「ハッハー! これでお前はただのメイドさんも同然! 勝ったな!……あれ、カリーナ? どうした?」
「んぐ、ちょま、私も、身体が、重い……っ?」
「す、すまん。そっちも神器使ってたか!?」
「っ、やっべ……」
申し訳なさそうに謝るカオル。だが、私の意識はどんどんと黒く染まっていく。
――そうか、そういや、私の体って、『神様が作った身体』だったな……!
「カリーナ、大丈夫にゃ!?」
ミーシャは影響を受けていないようで、元気そうだ。
「ミーシャ、私を守ってく、れ……」
「えっ!? ここで私の出番にゃ!? マジで!?」
と、その指示を最後に、私はそのまま意識を失った。
――――――――――――――――
(コロナ食らってましたわ!
まぁそれはそうと、近況ノートのサポーター限定記事で新たなオモチャツールを落とせるようにしときましたわ…!
キーボードの作業するときにキータッチをカウントしてノルマを達成してるか測る感じのツールですわ。執筆のお供等に……使えなくもない、かも?
まぁオモチャですわね!)
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