それは否定しない


 和風な裏庭の中にあるコンテナ。その中の洋風な快適空間。そこでのんびりくつろぐ私。

 ちなみに夜は普通に拠点に帰って寝た。コンテナの中で夜を明かす必要ないからね。内側からしっかり鍵をかけて拠点に戻れば快適ないつものおうちさ。


「あるじ様、お茶です」

「うん、ありがとうアイシア」


 アイシアが淹れてくれた紅茶をすすり、ほぅと一息。いやぁ、今日もいい一日になりそうだ。

 と、そこにペットミーシャがやってきた。パンツ丸出しである。恥じらいはないのかこの猫はよ。尻撫でるぞ。


「ふぁぁ……おはようにゃー」

「おはようミーシャ。下はスカートとか履いた方が良いと思うよ」

「昨日もおめーの嫁さんに尻撫でられまくったんにゃよ……文句はそっちに言えにゃー、私は悪くねーにゃ」


 いや別に文句はないけどね。ミーシャ、見た目は美少女だから十分眼福だし。


「ちゃんと外出る時には履くにゃ。ってか、女しか居ねぇんだから気にすることねーにゃん? あ。アーサーはオスだっけかにゃ。まぁドラゴンだし関係ないにゃんね」

「…………そうだね! まぁ私がエッチな目で見る分には問題ないよね?」

「やっぱ履くにゃ。そういやオメーは女でもイケるクチだったにゃ」

「失敬な。それだと私が男でもイケるようじゃないか」


 尚、ディア君はディア君なので例外とする。

 さりげなくアイシアがミーシャに朝ごはんのトーストと目玉焼き、サラダを出す。テーブルについてはぐはぐと食べるミーシャ。


「で、今日はくだんのドラゴンを探して交渉するのかにゃ?」

「そうだね」

「……マジでカリーナって龍の巫女姫ってやつなんにゃん?」

「何言ってんの。姫ってのはディア君にこそふさわしい称号じゃんか」

「いや、それはそうだけども、ドラゴンと対等に話せる的な意味でにゃよ」


 ふむ。確かにその定義なら私がそうだと言わざるを得ない。


「まぁ私の方がドラゴンより強いし。私の拳はドラゴンの牙を折るよ」

「ハハハ、冗談よすにゃ。ドラゴンの牙より硬いってどんな拳にゃそれ」

「これ、前に殴り折ったアーサーの牙ね」


 空間魔法で以前殴り折ったアーサーの牙を取り出し、見せる。


「え、マジ?」

「嘘だと思うならアーサーに聞いてみなよ。そもそもなんでアーサーがウチに居ると思ってんのさ」

「……ディアちゃんが可愛いから?」

「それは否定しない」


 と、そこでディア君とアーサーも起きてきた。

 とはいえ、しっかりと身嗜みを整えていて今日も巫女姫衣装――ゴスロリドレスである。

 アーサーにもヘッドドレスくらい付けてやろうかな、私のヤツ貸すよ?


「おはよー二人とも」

「おはようございます。今日はこっちだって忘れてました」

『ちーっす! 今日はいよいよドラゴンとバトルっすね! 姐さんの力を見せつけてやってくださいっす!』


 アーサーもノリノリだ。そして私に働かせる気満々だ。

 私も2匹目のドラゴンが気になってたし、別にいいけどね。


「……ところで、朝ごはんはヨウキさんのお宅で出してくれるって言ってませんでした?」

「あっ」


 そういえばそんな話もしてた。しまった、うっかり食べちゃったよ。

 と、現在進行形で朝ごはんを食べているミーシャを見る。


「……私は2食分食べるにゃ!!」

「食い意地張ってるなぁミーシャ。よーしよしよし」

「せめて尻じゃなくて顎とか頭とか撫でろニャー!?」


 いやー、ほんと撫で心地よくてこの尻。さすが神尻だね!

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