第6話 氷点の時



いつものように

いつもの時間に目覚め


いつものように

暖かい珈琲だけの朝食をとり


いつものように

冷たい水で顔を洗い


いつものように

意味を考えず今日も生きようとして


いつものように

外へ出て水で手を洗えば


一瞬にしてかじかむ手に息を吹きかけ


それでも外気よりも暖かい肌

白い悪戯っ子が手のひらの上で結晶になり

小さな水滴になっていく


今朝

この大地に初雪が降った

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