転校してきた俺の初恋相手が友人である学園の美少女にマウントを取っている
海夏世もみじ(カエデウマ)
プロローグ
……なぜ、こんなことになってしまったのだろうか。
人生は、
普通の生活の方が俺は望んでいたというのに、今はどうだろうか。
「
ウルフカットの黒髪の襟足を赤色に染め、桃色の瞳と
言っていた通り、俺の初恋相手だ。
「むむむ……それがなんだというのですか! 私だって入ろうと思えば入れます! 透くん! 今日の夜は覚悟の準備をしといてください、いいですね!?」
絹のような銀髪をハーフアップにし、青い瞳と真っ白な肌を持つ彼女は
彼女は同じバイト仲間である。
「……俺の拒否権は無し……?」
夏墨はこの秋からこの高校に来た転校生で、久しぶりに再開した。初恋というのも小学生の時の話だし、そこから恋が始まるなんて思っていなかった。
だが始まったのは俺へのからかい、そして謎の冬雪さんへのマウント取り。
冬雪さんは元々クールな人気者だったのだが、なぜか俺が夏墨にちょっかいをかけられているとジトーっと俺たちを見てくる。
そして見るだけではなく、売られたマウント勝負を何度も買っている。
「あの
「透許すまじ……」
「しかも一躍人気の転校生ちゃんとも昔一緒に!?」
「前世で徳を積みまくった男というわけか」
「ってか、学校ではやめてほしいわ」
周囲のクラスメイトたちからも、他のクラスの者たちからも、ジトーーッと痛いほど視線が刺さる。
「透、ひ、久しぶりにさ、今日一緒にお風呂……入っちゃう?」
先ほどまでの余裕ある笑みの夏墨は姿を消し、八の字眉にして頰を薔薇色に染めながらそんなことを言ってきた。
「〜〜ッ!? は、入らない! もう俺たちもそんな歳じゃないし!」
「透くん、では、私が行きます」
「はっ!? 夏墨の冗談に乗らなくてもいいんだぞ!」
「い、いえ……私も負けてられないし……。今水着も発注してしまいましたし!!」
純白な顔を真っ赤に染めながら俺にあは〜ん♡な水着の注文完了画面が映るスマホを見せつけてきた。
「キャ〜〜! おまっ……水着にしてもこれッ……ほぼ糸じゃねぇか!!」
甲高い悲鳴を上げてスマホを押し返す俺。
「透!」
「透くん!」
俺の両腕は二人にしがみつけられ、両手に花な状況だ。
本当に本当に、どうしてこうなったのか。
俺は少し過去のことを思い出してきた。
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