異世界転生の焔

ツリーさん

第1章 こうして焔は生まれた

第1話 死亡

世界は不条理で出来ている。


こんな当たり前でどうでもいい事を私、黒城紀久くろしろ きくは思ってしまっている。


何故かって?私は中学2年という子供ながらに人の助けになることをしてきたつもりだ。


老人の荷物を持ったり、怪我人に救急車を呼んだり、ナンパされた女性を助けたりとまぁ色々な事をしてきた。


そんな、それなりに善人であるはずの私は前のナンパ野郎に火を家に着けられ、足を包丁で切られ、放置されている。


不条理と言いたくなる気持ちも分かるであろう?と誰に向かってか言いたくなるというものだ。


ていうかあいつどうやって家に入ったんだろうねぇ?


鍵閉めてたし、そもそもなんで家知ってんのよ。


しかも殺さずに放置ってタチわっるww


ん?なんでこんなに呑気なんだって?


何かもう痛みすらもう感じないんだよねぇ。


さっきまでは本当に痛かったんだよ?


息するたびに激痛が走るし、暑いってか熱いし、少しでも動いたら息するよりも痛いし、酸欠なのか今もだけどぼーっとしてるし。


脈絡もないけどそういや火ってきれいだよねぇ。


引き込まれるような美しさを持ってると私は思うんだよ。


死ぬ前の最後に見た景色が火に包まれたここで良かったって思えるくらいに。


まぁ良い訳無いんだけどネww


あぁ、もうちょっと生きたかった…………なぁ。






…ていうか火に包まれた場所で死ぬのが良いのか悪いのかもうちょいはっきりと考えた上で死にたかった。


ガクッ

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