わたしバージンですがデリヘル嬢やってます。なにか⁈

第1話

裕美マリは中学校の国語教師で二十五才で無駄に美人で

男子生徒たちのあこがれの的でバージンだった。

「先生、なんで太宰治が自殺したのかわかりません」

授業中、生徒の樺山慧（かばやまさとし）がいつものように

嫌がらせのような質問をしてきた。

「先生にもわかりません」

マリは適当にあしらおうとした。

「よく、それで教師なんてやってられるなあ」

慧がそういうと、教室中が大爆笑に包まれた。

「人生とはイコールわからないということです。

何事もわかったような気になってはいけません。

学者や大学教授たちなども実は何にもわかって

ないんですねぇ」

マリがそう説明すると、

「僕はわからない先生のことがもっと知りたいです」

慧が頭で後ろ手を組んでいった。

マリが顔を真っ赤にする。

「慧、オマエ、マリ先生に惚れてるな」

慧の親友、杉川戻（もどる）が慧を冷やかした。

「ばっ、ばか、誰がこんなどブスに」

「誰がどブスじゃい」

マリが全身で怒りを露わにした。

「中学校教師とバカ生徒の禁断の恋。これは

週刊誌に高く売れるぞ」

戻が腕組みしながら頭を揺すった。